検索窓
今日:10 hit、昨日:4 hit、合計:69,895 hit

8話 ページ11






「……ん……朝か…」





鳥のさえずりの音で目が覚め、自分が制服のまま眠ってしまったことに気づき、とりあえず部屋着に着替えた。




祭壇に飾られた両親の遺影に「おはよう」と声をかけ、昨日放ったままにしていた荷物の整理をした。




今日は両親の遺産相続や私の今後について役所の人たちが家に来て話し合いをするらしい。





無心で部屋を片付け、お茶の用意をしていると役所の人が来て早速話し合いが始まった。














結局、お母さんもお父さんも1人っ子で親戚とも疎遠だったし、両親が随分前に用意していたらしい遺言に「遺産は全て娘に渡す」と書いてあった為、私の元に両親の遺産が入ることになった。





まだ未成年という事で孤児院に入る事を強く勧められたけど、思い出の詰まったこの家は絶対に手放したくないから断った。





「突然の事でまだ気持ちの整理も出来てないと思いますが、何か困った事があれば連絡してください。」




「はい。今日はわざわざ来て頂いてありがとうございました!」




そう言って役所の人を見送り、再び1人きりになった部屋を見回した。





どこを探しても両親の姿はない。あるのは骨だけ。






「遺産なんか貰っても嬉しくないよ……そんなのいらないから戻ってきてよ……」





遺影に向かって話しかけても、2人の穏やかな眼差しがあるだけで返事はない。





零れそうになった涙をグッと堪えて、私はこれからの生活の為、アルバイト先を探し始めた。

9話→←お知らせ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (27 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
71人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

りある(プロフ) - 美園さん» コメントありがとうございます!そう言って頂けてとても嬉しいです!まだお話は始まったばかりなので、今後の展開も楽しみにして頂けたら幸いです(^ ^) (2019年11月11日 7時) (レス) id: 3eeed000d7 (このIDを非表示/違反報告)
美園 - とてもおもしろいです (2019年11月11日 5時) (レス) id: b24611d9b4 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:りある x他1人 | 作成日時:2019年11月9日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。