ちょっと旅に出るわ。【宮侑】

7話 侑side ページ8

-侑side-






「今日からしばらくAは休みや。Aがやってくれとった仕事は全員で分担してやるからそのつもりでおってな。」








「は……？」





昼のミーティングで、いきなり北さんがそんな事を言い出した。





朝、Aの教室行ってもおらんし電話しても出んし、何やおかしいなって思っとったらしばらく休む？





何で彼氏の俺にそんな大事な事言わんのや。





そもそもしばらくって何でや？昨日一緒に帰った時も普段通りやったし、何か悩んどる様子も無かった。体調崩しとるんなら連絡寄こすはずやし、おかしすぎる。





突然の事で驚いとるのは俺だけやなくて、サムも角名も銀も、みんな驚いとる。




「ツム何か聞いとらんのか？」




「知っとったらこんな驚くわけないやろ！北さんどういう事ですか！」





「今言った通りや。Aはしばらく学校も部活も休む。」





「何でっ……！いつまで休むんですか！」




「そんなん俺が知るわけないやろ。気になるなら自分で連絡しぃや。」





北さんの圧に負けて、スマホを取り出してAにメールを送った。





ほんま何なんやあいつ。北さんには休むの言うくせに何で俺には隠しとんや。





侑Aしばらく休むってほんまか?何で俺に何も言わんかったんや!いつまで休むん?




高速で文字を打って送信したら、今まで全く既読が付かんかったのにすぐ既読がついて返事が来た。





「……は、どーゆー事や…」






ずっと待ち望んどったAからの返信にはただ一言、





Aしばらく旅に出ます。探さないでください。





それだけが書かれとったんや。

8話→←6話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す