生きるの下手くそすぎんか。【国見英】 (ページ10)

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# 異変ページ10

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｢ねぇ、A最近痩せた？｣

お母さんにそう言われたのは、ゴミ箱を蹴られた日から数日たった日のことだった。

確かに最近あまり食欲がなくて、前よりも少し食べる量が減ったかもしれない。でも、減ったと言っても体重に変化がある程の量じゃないはずだ。

それに、ダイエットだって特にしていない。

だから突然お母さんに言われたその言葉は予想外すぎた。

｢そうかな？ダイエットもしてないしそんな事は無いと思うけど…｣

｢いや～絶対痩せたよ。痩せたというか、顔も痩せこけた感じがする。体重量ってみたら？｣

そこまで言われたら流石に気になったので、久々に体重を量ってみることにした。

普段体重計なんて使わないから、最後に使ったのが先月学校であった身体測定の時だ。

お母さんの気にしすぎでしょ、と思いながら体重計に乗って測定結果を待つ。

そして、ピーっという音と共に出てきた数値に私は思わず声を出した。

｢えっ…嘘でしょ。｣

出てきた数値は、先月の身体測定で出てきた数値よりも6キロ減っていた。

いくら食べる量が少し減ったからって、ダイエットもしてないのにこの減り方は普通有り得ない。

何かの間違いかと思って、2、3回やり直してみたけど結果は同じだった。

予想外の結果に驚きながらもリビングへ戻ると、お母さんはソファーでくつろいでいた。

｢どう？体重減ってた？｣

お母さんにそう聞かれて私は咄嗟にこう答えた。

｢先月から1.3キロ減っただけだったよ～。｣

何で嘘をついてしまったのか自分でも分からないけれど、その時の私はお母さんに本当の事を言っちゃいけないような気がしたのだ。

今思えば、この日あたりから私の体に色んな異変が出てきたように思う。