生きるの下手くそすぎんか。【国見英】 (ページ7)

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# 動揺ページ7

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｢えっ、何急に…？｣

突然の事に眉間を触りながら英の方を見ると、彼は相変わらずジト目で私の方を見ながら言った。

｢なんかさ、無理してない？ていうか俺に隠してる事ない？｣

｢えっ、ほんとにどうしたの急に！w無理もしてないし隠し事もないよ！｣

｢ふーん、ならいいけど…｣

別に無理なんてしてない。

こういう生活は昔からだから慣れっこだし、疲れてはいるけど無理はしていない。

ただ、英にはひとつ隠し事をしている。

だからさっきの言葉は私を動揺させるのに充分だった。

英、昔から変なとこで鋭いからなぁ…

突然の質問に焦ってた心臓を落ち着かせていると、当の本人はさっきの話なんて気にしてないように、カバンをガサゴソと漁っていた。

｢…ん、口開けて。｣

今度は何だと思いながらも素直に口を開くと、カラン、と何か入れられた。

舌の上で広がる甘みと僅かに感じるしょっぱさ。

それは私のよく知っている味だった。

｢…塩キャラメル？｣

｢正解。｣

｢英が塩キャラメルを分けてくれるなんて珍しい…｣

塩キャラメルは彼の好物だ。だから彼は絶対人に塩キャラメルを分けるなんて事はしないのだ。

｢頑張った子にはご褒美あげなきゃいけないだろ。…ほら、家着いた。ちゃんと寝ろよ？｣

｢いつも送ってくれてありがとうね。おやすみ～。｣

塩キャラメルのお礼も言って、私は英に手を振って家に入った。

頭の中にはさっきの彼の『無理してない？』という言葉が妙に残っている。

｢…無理なんてしてるわけないじゃん。｣

そう、全然無理なんかしてない。

自信満々にそう思っていた私だったけれど、3週間後、それはただの自分の思い込みだったと気づく事になるのだ。