生きるの下手くそすぎんか。【国見英】 (ページ6)

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# お迎えページ6

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人から無茶な事を頼まれても断れない。

そんな性格に難アリな私にも恋人がいる。

｢Aちゃーん、彼氏くんが迎えに来てくれたわよ！｣

茶化すように言う職員さんに私は愛想笑いを返し、挨拶をして彼の元へ向かった。

｢ごめん、待った？｣

｢ううん、大丈夫。お疲れ様。｣

そう言って私の手をとるのは恋人の国見英。

彼もバレー部で忙しいはずなのに、こうして毎日部活終わりに迎えに来てくれるのだ。

｢英も部活で疲れてるんだから迎えに来なくても大丈夫だよ？｣

｢俺がしたくてしてるんだからいいの。…ていうか、学校だとAいつもバタバタしてて一緒にいる時間無いじゃん。せめて帰る時くらい一緒がいい。｣

｢あはは…学校いる時は大体いつも人から頼まれ事されてるからね…｣

そう言うと、英は大袈裟なほど大きいため息を吐いた。

｢そろそろさ、断るって事を覚えなよ。そうやって断らないからあいつらも付け上がるんだよ。｣

｢うぅ…すみません…｣

完璧なまでの正論にぐうの音も出ずにいると、英が私の頭をポンポン撫でた。

｢まぁ、そういう優しい所がAの長所なんだけどね。｣

そう言って優しく微笑む英に、思わず私の頬も緩んだ。

｢俺が一緒のクラスだったら周りにガツンと言ってやるのに。｣

｢でも断らない私も悪いからさ？仕方ないよ。｣

そう言うと英はジト目で私を見ながら、私の眉間を指でチョンっとつついた。