生きるの下手くそすぎんか。【国見英】 (ページ27)

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# 成長を試す時ページ27

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それから、休みの日になって英に改めて病院へ連れていかれ、これまでの体調不良は恐らく全部ストレスによるものだろうと診断された。

充分に睡眠をとって、食べる量も少しずつ増やしていって今は元の状態に戻りつつある。

ちなみに英のファンの子たちは英にこっぴどく叱られたらしく、もう何もして来ないから安心していいと言われた。

そして数日間学校を休んで今日から学校に復帰する私は、これから生きるのが少しでも上手くなったか試されるのだ。

恐る恐る、数日ぶりの教室に入って席に着くと今まで通りクラスメイトたちが寄ってきた。

｢最近休んでたけど大丈夫だった～？心配してたんだよ！！…あ、あと病み上がりなのに悪いんだけどさ、この資料まとめといてほしいんだけど…｣

｢ねぇ、今日掃除代わってもらえないかな？私部活で忙しいんだよね～｣

きた。

大丈夫。英と何回も練習したから大丈夫だよね。

自分に大丈夫だと言い聞かせて、私は震える唇を開いた。

｢あ、あの！ごめん。私部活はしてないけど他に沢山やらなきゃいけない事があって毎日忙しいから、みんなの資料まとめるとか掃除代わってあげるとか…もうできない。｣

みんなの言葉を遮って、できる限り大きな声で言った。

シーンと周りが静まり返ったのも束の間、すぐに動揺の声が聞こえた。

｢……え、何？何で？｣

｢それってさ、私らに仕事押し付けて自分だけ楽したいってこと？｣

｢なにそれ超自己中じゃん。｣

｢違う！そうじゃなくて、今まで私、自分の役割だけじゃなくてみんなの役割まで任されてたし、掃除当番だって毎日代わらされてたから…そういうのはもう出来ないって言いたいの。｣

慌てて反論するも、聞こえてくるのは

｢何それ意味わかんない。｣

｢あーあ、せっかく便利だと思ってたのに。｣

｢まじウザいんだけど…｣

そんな言葉ばかりだった。

あれ、やっぱり私生きるの下手くそなままだった？？

周りからの冷ややかな目線と成長しない自分に、心が押し潰されそうな気持ちでいると背中に誰かの手が優しく添えられた。