生きるの下手くそすぎんか。【国見英】 (ページ14)

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# 変わり果てた姿ページ14

及川side

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久々にAちゃんの姿を見て、一瞬ゾッとした。

Aちゃんは中学の時国見ちゃんと付き合い始めてから、よく練習の手伝いに来てくれていた。

その関係で彼女とは中学の時から仲良くさせてもらってるわけだけど、高校になってから彼女の姿はほとんど見なかった。

国見ちゃんから動物愛護のボランティアで忙しいって聞いてたから頑張ってるんだなぁと思っていたけど、あれは頑張りすぎだ。

突然前にいた女の子がふらついて後ろに倒れてきたから咄嗟に助けたけど、一瞬Aちゃんって分からなかった。

だって、中学の時のような生き生きとした表情からかけ離れている上に、随分と痩せこけていたんだから。

もともと細い方なのに、それよりも痩せてるんだから本当にびっくりした。

彼女の両手に抱えられた大量の資料を見て、｢あぁ、また仕事頼まれたんだな｣って気づいた。

中学の時から何かと仕事を頼まれたりしていたけど、やっぱり高校でも同じような感じになってるのか。

NOが言えない彼女は多分相当なストレスと疲労に見舞われているのだろう。それを発散できたらまだ救いはあるけど、生憎彼女にはその術がない。

普通なら周りに愚痴ったり相談したり、色々方法はあるけど彼女は相談する事が相手にとって迷惑になると考えている。

だから彼女は自分の内に溜まった負の感情を吐き出せず、溜め続けるしかない。

そして、彼女にはもうひとつ大きな欠点がある。

それは、『自分の限界に気づかない』という事だ。