生きるの下手くそすぎんか。【国見英】 (ページ11)

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# 誤魔化しページ11

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｢ねぇAさ、最近痩せすぎじゃない？ダイエットでもしてんの？｣

お母さんに体重の事を指摘された日の夕方、いつも通り動物愛護センターまで迎えに来てくれた英と一緒に帰っている時、彼からもそう言われた。

｢お母さんも同じこと言ってた～。別にダイエットなんかしてないんだけどね～。｣

｢体重量ってみた？｣

｢うん。先月の身体測定の時から1.3キロ減ってただけ！だから大丈夫。｣

お母さんと全く同じ事を聞く英が少し可笑しく感じて、笑いそうになるのを堪えながら私はまたお母さんの時と同じように嘘をついた。

来週に試合がある英に余計な心配をかけたくなかったのだ。

ただでさえ試合前で忙しいのに、私の事で無駄な労力を使って欲しくない。

｢1.3キロ減るだけでこんなにガリガリになる…？手首なんか骨浮き出てるし。ちゃんと食べてんの？｣

私の腕を少し持ち上げて、私の手首に指を巻き付けて輪っかを作る英。

このままじゃ何だかバレそうなので、私は話題を変えることにした。

｢私手首は元々細めだったから心配しなくていいよ～

…それよりもうすぐ試合でしょ？練習とか多くなるんじゃない？｣

｢……今わざと話題変えただろ。クマも酷いし顔もやつれてる。…無理しすぎなんじゃない？｣

感の鋭い英は私がわざと話題を変えたことなんかすぐに見抜いてしまった。

彼は立ち止まって私の目の下のクマをなぞるように指を滑らせる。

英の目を見ていると、うっかり弱音を吐き出してしまいそうだから、私は半ば強引に話を切り上げ、話題を英の試合の事に変えた。

それでもどこか腑に落ちず心配そうな顔をする英に、なんだか申し訳ない気持ちになってしまい心の中で彼に謝った。