生きろ。【白布賢二郎】

23話 生きるって何？ ページ24

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｢なんで…？やっと姉さんに会えたのにっ……やだよ私もう生きていたくない！｣






小さな子供のように駄々をこねる。





姉さんはそんな私を悲しそうな目で見ながら頭を撫でてきた。






｢A…Aにはね、幸せになる権利があるの。｣







｢幸せなんかいらないっ…幸せなんて、いつ壊されるか分からないものなんか欲しくないっ…！｣






｢A…よく聞いて。幸せはね、確かにいつ壊れてしまうか分からない。人生何が起こるか分からないもんね。






…でもね、それでも私はAに生きててほしい。私が見れなかった景色をAには沢山見てきて欲しいの。｣








｢でもっ……無理だよ…｣







姉さんにそう言うと、姉さんはにっこりと微笑んで言った。







｢大丈夫。今は辛くて、生きるのがしんどいかもしれないけど、Aならどんな辛いことにも打ち勝てる。それに…Aには白布くんがついてる。彼は絶対にAを不幸になんかしないし、支えてくれるはずよ。｣







姉さんの力強い声は、私の心をどんどん動かしていく。







｢…どうして、私に生きてて欲しいの？お父さんもお母さんも、私が死んだ方が良かったって言ってたのにっ……｣








｢それはね…Aに生きる事の素晴らしさを知って欲しいから。それと、あの人たちの言葉を鵜呑みにしちゃダメよ。｣








｢生きる事の素晴らしさ…？｣








オウム返しのように同じ言葉を言うと、姉さんは微笑みながら再び口を開いた。

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