生きろ。【白布賢二郎】

18話 忘れてしまうくらい ページ19

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｢どこ行くか決めた？｣






｢んー…考えたんだけど、思いつかなかった。賢二郎の行きたいとこに行きたいな。｣






素直にそう言うと、賢二郎は少し考えてから私の腕を引っ張ってどこかへ連れていった。







どこへ行くのか聞いても答えてくれず、電車に乗って歩いて、やっと着いた場所は今女の子たちの間で話題のカフェだった。





SNS映えすると評判のスイーツが沢山あるお店で、メディアからの取材が後を絶たないとクラスメイトが言ってた気がする。





｢賢二郎、ここのお店って…｣





｢…最近女子に人気なんだろ？味も良いって聞いたから連れて行こうと思って。美味いもの食わせてやるって言っただろ？｣






｢……もしかして、今日の為に調べてくれたりしてた？｣






｢……悪いかよ。｣





賢二郎はこういう女の子に人気のものとかに疎いし興味も無い。





それでもこうやって下調べしてくれたり、色々と頑張ってくれたのが伝わって凄く嬉しかった。






｢賢二郎、ありがとう！｣






笑顔でそう言うと、賢二郎も微笑んで頭を撫でてくれた。







お互いに頼んだものを交換したり、他愛もない話をしたり……






気づけば今日死ぬことなんて忘れて、賢二郎とのデートを満喫している自分がいた。








まぁ、最後くらい何も考えず思いっきり楽しもう。

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