前髪の秘密。【白布賢二郎】

【番外編1】出会い ページ9

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ー2年前ー









中学3年生の夏、私と賢二郎は出会った。








当時、白鳥沢の中等部で男子バレー部のマネージャーをしていた私は部活が休みの日、テーピングなどの買い出しに1人で出かけていた。






行きつけのスポーツショップでテーピングやドリンクの粉、それに冷却スプレーなど必要な物を調達して家に帰っていると、すぐ近くで小さい子が友達と楽しそうにはしゃぎながら走って道路へ飛び出していた。





幼い子供は周りの事に注意が向かない。




だからその子は気づかなかったんだ。




車が自分の方に向かって走っている事に。







車のクラクションが鳴り、その子はやっと自分が今どんな状況になってるか気づいた。




でも、自分が車に轢かれそうになってるのを自覚して冷静に反応できる子供なんて、そうそういない。





その子は突然の事で恐怖や驚きで固まってしまった。






｢っ…あぶないっ…！｣






咄嗟に手を伸ばしてこちらへ引っ張ろうと思っても、私の手はその子に届かない。







あぁ、もうダメだ。どうしようって思った時、私のすぐ横をヒュンッと誰かが通り過ぎた。







その人は迷わずあの子の方に飛び込んで行き、一瞬で子供を抱き抱えて道路の向こう側へ転がり込んだ。







車はそのまま通り過ぎていき、力の抜けた私はその場にへたり込んだ。







｢っ……大丈夫か？｣





｢…う、んっ……｣






｢なら良かった。危ないからちゃんと周りも見ろよ？｣







｢うんっ……お兄ちゃんありがとう！｣







子供とその友達は助けてくれた男の人にお礼を言ってその場を離れた。







あの人、見た感じ私と同い年くらいだけど凄いなぁ……あんなに迷わずあの場に飛び込めるなんて……








そう思って、一応彼に大丈夫か聞こうと思い道路を渡って彼のいる通路へ向かうと、彼は子供たちが居なくなるのを確認してから突然しゃがみこんだ。

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ラッキーアイテム

白布くんのタオル

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