前髪の秘密。【白布賢二郎】

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｢よし、動くぞ。｣





｢はい！お願いします……っ！？！？｣







返事をした途端、今までとは比べ物にならない程の爆速で走る牛島さん。





……そういえばバレー部の中で牛島さんが1番足速いんだった。







息をつく間もなく、数秒でゴールした牛島さん。





あっという間すぎて何が何だかわかんないや。






｢若利クンwwww余裕で1位なのに本気出しすぎwwww｣




天童さんが爆笑しながらそう言うと、牛島さんはキョトンとした顔で言った。





｢本番では死ぬ気で走れと言われていたからそうしただけだ。｣






……うん、牛島さんってそーゆー人だよね。







ゴール地点でみんな大喜びしてると、牛島さんは私をおんぶしたまま賢二郎の所へ行った。






｢白布、返すぞ。｣






｢｢え？｣｣






私と賢二郎が同時に声を上げると、牛島さんは背中に乗った私を賢二郎に抱き抱えさせた。







会場からはキャーキャー歓声が聞こえる。







恥ずかしい気持ちのまま何が何だか分からなくなってると、牛島さんは1人満足気に言った。







｢うむ、やっぱりお前たちはお似合いだな。｣







｢っ……ありがとうございます。｣







照れた顔でお礼を言う賢二郎の表情は拍子抜けしつつも嬉しそうだった。







牛島さんのこの言葉のお陰で賢二郎の機嫌を直すのに苦労せず、私たちの体育祭は優勝という形で幕を閉じたのだった。

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白布くんのタオル

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