保護者役、任されてます。【二口堅治】Part2

44. 嫌な予感 ページ5

二口side




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｢……遅い。｣






休憩に入ってからというもの、俺の心は全く休まらず体育館の入口でウロウロしていた。





随分前に買い出しに出かけたAと滑津がまだ戻ってこないのだ。






沢山買い込むにしても遅すぎる。まさか何か事件にでも巻き込まれたか…？





そう思っているのは俺だけではないようで、じいさんも同じように体育館の入口をウロウロしている。






｢なぜ監督と二口はあんなにソワソワしているんだ？｣






｢マネちゃんたちの帰りが遅いから気が気じゃないんだって！確かにちょっと遅いかもネ〜。｣






｢流石に遅いよな…少し外まで様子を見に行って来ようか？｣






｢じゃあ俺と二口さんが行くんで監督は休んでて良いですよ！二口さんも落ち着かないようですし…｣





｢あー！作並だけズルいぞ！俺も行く！｣






周りもAたちの帰りが遅い事を不審に思い始めた時だった。







『……うえええええぇぇぇぇん！！！痛いよぉぉぉぉぉっ！！！』









｢…！？おい、聞いたか今の！｣








｢えぇっ！？子供の泣き声ですか？｣





｢子供が転けたか何かして泣いたんじゃないんですかね…？｣





どうやら黄金川たちには子供の泣き声に聞こえてるらしい。






確かに子供の泣き声にも聞こえる。でもあれは紛れもなくAの声だ。それに声のデカさからしてそんなにここから遠くない。





じいさんの方を見るとじいさんも同じことを考えていたらしく、俺たち2人は一斉に猛ダッシュで声のする方へ向かった。

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