76. にろちゃんレベルアップ ページ37
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「え、ねぇにろちゃ…「あ゛〜ちょっと黙れ!」」
赤くなって固まったかと思えば、今度は私の頭を抱え込むようにガバッと抱きしめてきた。
心臓の音がどんどん大きくなってくる。にろちゃんの心臓も私の心臓もドキドキと音を立てていて、どっちの心臓の音か分からない程だ。
「……俺は、Aの事ずっと前から好きだった。」
にろちゃんがボソボソと喋りだした。抱きしめながら話してるから、にろちゃんの顔は見えないけど多分さっきと変わらず真っ赤な顔なんだと思う。
「ほんとはこんなタイミングで言うはずじゃなかったけど、さっきのアイツら見てたらクソ腹立って気づいたら自分の気持ちを全部喋ってた。」
……え、待って。見てたってことはもしかして私がにろちゃんの事好きって所も聞かれてる!?
「あ、あの…もしかして……」
言いたいことが一瞬で分かったのか、腕を緩めて私の顔を覗き込みながら、にろちゃんはニヤッとして言った。
「ばっちり聞いた。」
「……忘れてください。」
あんなの聞かれてたとか恥ずかしすぎる…
「忘れるわけねぇだろ。……てか、俺は嬉しかったんだけど?」
「何が…?」
「自分の好きって気持ちが一方通行じゃなかったって分かって嬉しかった。」
そう言うと、にろちゃんは抱きしめてた手を離して、私の目をまっすぐ見て言った。
「こんなタイミングでかっこ悪いけど…
今まで以上にAの事大切にするから俺と付き合ってください。」
心臓が止まってしまうんじゃないかと思うくらい、キュウッと胸が締め付けられる感覚がした。
答えなんかもう決まってる。
「…今まで以上に大切にされたら、私どうなっちゃうんだろw
……私もにろちゃんの事大好きだよ。これからもよろしくね。」
差し出された手をギュッと握ると、再びにろちゃんに抱きしめられた。
長い間、私の保護者役だったにろちゃんは
今日、私の彼氏役にレベルアップしました。
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りある(プロフ) - ブドウ味のリンゴさん» ありがとうございます!!楽しんで頂けて良かったです(^-^) (2020年11月28日 15時) (レス) id: 6c1f495f47 (このIDを非表示/違反報告)
ブドウ味のリンゴ - 面白すぎて一気に読んじゃいました!遅いですけど、完結おめでとうございます!! (2020年11月28日 10時) (レス) id: 8dfd0cadf9 (このIDを非表示/違反報告)
りある(プロフ) - 黒崎零菜さん» ありがとうございます!!楽しんで頂けて嬉しいです♪ (2020年5月17日 8時) (レス) id: 6c1f495f47 (このIDを非表示/違反報告)
黒崎零菜(プロフ) - 作品とても面白かったです! (2020年5月17日 4時) (レス) id: 943180d6d6 (このIDを非表示/違反報告)
りある(プロフ) - エルピスさん» ありがとうございます!もうそろそろ終盤に入るので是非引き続きお楽しみください♪ (2020年5月8日 17時) (レス) id: 6c1f495f47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りある x他1人 | 作成日時:2020年3月24日 14時