保護者役、任されてます。【二口堅治】

28. 上がり続ける心拍数 ページ29

二口side





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｢……寝たか？｣






｢おう。秒で寝やがった。｣







青根にそう答えると、青根は自分のジャージを脱いで俺に渡し、Aに掛けてやれと言ってきた。







｢サンキュー。｣









Aにジャージをかけて、顔にかかってる髪の毛を耳にかけてやると気持ちよさそうな顔をした。








全く…可愛い奴め。









｢二口さんってAさんの事になるとほんっとに優しい顔になりますよね…いつもあのくらい優しかったらいいのに…｣









おい黄金川、ばっちり聞こえてるからな？








｢俺はいつでも優しいですけどー？｣







｢わっ…！二口さん聞いてたんですか！｣







首だけ後ろを向いて、青根の隣に座っている黄金川をジト目で見つめた。






｢でも、なんだか二口さんとAさんって凄くお似合いですよね！｣







｢そうかよ。そりゃどーも。｣








黄金川の一言で一気に機嫌が良くなるなんて、俺も単純な奴だな。






｢……んん…｣






｢おっ…？｣








夢でも見ているのか、Aはモゾモゾと動いて俺の腹に顔を埋めてきた。腕は腰に回してきていて、抱きつかれているような感じになっている。







…なんかこの体勢、色んな意味でやばいんだけど。








｢はぁ…｣








邪念を追い払うように、俺も目を閉じて到着までAを膝に寝かせたまま自分も寝た。

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