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テヒョンは私を抱き締めたまま無言のままだった。しばらくしてテヒョンが腕をするりと離す。
テヒョンはじっとこちらを見つめた。
「座りましょう」
近くのベンチへ座る
「課長とは長いんですか？」
『そうだね〜、もうすぐ２年になるかな』
テヒョンからソクジンオッパの話をしてきたのは初めてだった。
「へぇ、そうなんだ〜 いいなぁ俺も彼女欲しい」
「Aさんみたいな」
お酒で赤くなった頬、綺麗な横顔 テヒョンが“男”だった
『いやいや〜、テヒョンのほうが選ぶくらい女の子がいるでしょ』
あまりにも綺麗ではぐらかすかの様につぶやく
「俺ねー、実は昔二股されてたんです」
『そうなんだ...』
「うん、ヌナだったんですけどすっごい上品で俺なんかにはもったいないくらいだーって」
雲に隠れたはずの遠い星を眺めるように上へと視線を移したテヒョン
「ヌナから告白してきたんですよ。いっつも一緒だったのに実は二股かけてて、それがバレたら俺はもういらなーいって、、、フラれちゃったんです」
『そっか、辛かっただろうね』
「そう！めーーーーーーーーっちゃ辛かった！ヌナのこと考えすぎて幻覚見えそうだったもん。でも俺思ったんです。またいい人が見つかるようにって、ヌナはその為の踏み台だったって」
突然の告白に戸惑う私を横目にふっと笑うテヒョン
「さぁ、もう帰りましょう。Aさん、だいぶ酔い醒めたでしょ？」
さっきの話は無かったかのように振舞った
「じゃあAさん、明日も会社で待ってるよー！」
それからテヒョンは私を家まで送ってくれて、手をぶんぶん振りながら口を四角くして笑った
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作者名：中間さん | 作成日時：2017年1月11日 1時
