高い所にある本を取ろうとしてみた（２） ページ32
【スタルーク】
「………どうぞ」
目の前で四つん這いになった彼にあなたの表情は固まります。
全然自分の背に乗ってこないあなたに彼の顔は徐々に青ざめていき。
「……そうですよね。僕みたいなゴミの上なんかに普通乗りたくないですよね。気付かなくてすみません……」
しゅんとした彼は静かに立ち上がると本に手を伸ばしました。
「僕に触れられる本が可哀想だと思ったんですけど……これ、で合ってますか？」
手に取った本をあなたに見せると、確かにそれはあなたが取りたがっていた本。
あなたはありがとうと彼に微笑みました。
「………いえ、その……へへ、よかったです」
少し頬を染めた彼は照れたようにはにかむと、足取り軽く去って行きました。
【カゲツ(恋人)】
「ようし、余がそなたを抱っこしてやるのじゃー」
そう言うと彼はあなたの背後から両手を差し込み、いとも簡単にあなたの体を持ち上げました。
「どうじゃ？本は取れたかのう？」
尋ねる彼に棚から引き抜いた本を見せながらあなたがお礼を言うと、ゆっくりと体が降ろされていきます。
地に足が着いたけれど彼の腕も体も離れません。
「せっかくじゃ、もう少しだけこのままでいさせてくれ…」
愛しいあなたに触れたことで離れがたくなってしまったみたいです。
人が来ないことを願いながらしばらくこのままでいさせてあげましょう。
【グレゴリー】
「……どうしたんだ？」
あなたが腕を伸ばして困っていると後ろから声が掛かりました。
あの本が取りたいのだと彼に話すと、ちょっと待ってろと彼はあなたの背後からそのまま腕を伸ばしました。
「……これか？」
そうだと答えると、彼はそれを抜き取りあなたに手渡します。
「へえ……魔法学の本か」
小さく呟くと彼はまた棚に目をやり、そして一冊の本を抜き取るとあなたを見ました。
「俺もちょうどやろうと思ってたんだ。……一緒にどうだ？」
彼の手にはあなたと同じように魔法学の本。
あなたが嬉しそうに頷くと彼もよかったという表情であなたを席へと先導します。
外が暗くなるまで互いに教えあいながら進めた読書はいつもよりも捗ったようです。
お菓子を作ってみた（１）→←高い所にある本を取ろうとしてみた（１）
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愁夜(プロフ) - さしゃさん» コメントありがとうございます！スタルークのかっこ可愛いさは最高ですよね！いつでも彼に会いに来て下さいね！ (4月17日 21時) (
レス) id: 1506381540 (このIDを非表示/違反報告)
さしゃ(プロフ) - どの作品も素敵すぎて何回も読みました!特にスタルーク大好きでめっちゃキュンとしました(*´Д｀)これからも更新楽しみにしてます! (4月17日 18時) (レス) id: 8cac12349a (このIDを非表示/違反報告)
愁夜(プロフ) - ちぃさん» コメントありがとうございます！エンゲージ、控えめに言って最高です！こんな作品でよければ是非また読みに来て下さいね。 (4月15日 17時) (レス) id: 1506381540 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - えと、、あのぉ、、神作品すぎませんか！！？！？リュールカンストしてやることなかったからとっても嬉しいです！！更新気長に待ってます！！ (4月13日 9時) (レス) id: 7c326927d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうちん！ - 愁夜さん» おぉ〜…流石はマルス様…正統派王子から真っ黒王子へと進化（☆） (4月9日 12時) (レス) @page10 id: 211b1d44b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愁夜 | 作者ホームページ：http://kuon.iza-yoi.net/
作成日時：2024年4月3日 18時
