間接的存在証明 ページ45
青「なにそれ」
小さく呟いた橋本が、高橋の後ろ側に回る。
キャップの後頭部の側についた小さなダイヤル。
この無線にはON/OFFだけではなく感度調整をするためのつまみがある。うるさい道を走行する時などに自分の声だけを拾うようにできるのだ。龍斗が作った。
それが、ほんの少しだけONの方向に回されている。
青「無線切れっていったじゃん」
橋本が力ない声で言った。
もう怒る体力もないらしい。
桃「…ごめん」
二人のやりとりに、龍斗は少しホッとした。
所長と先輩。いつも頼りにしている二人のあまりにも消耗した姿は自分がいまここにいることを少なからず肯定してくれる。
俺は瑞稀くんほど強くはない。
それでも、役立たずの俺なりにここへ来た意味はあるはずだ。
瑞稀くんではない俺が、ここへ来た意味が。
それがいまはわからなくても。
青「とりあえず、撤退。掃除屋来る前に帰らないと怒られるよこれ」
桃「さすがにやりすぎましたね…」
青「向こうがね！」
桃「奇襲で散らかしても片付けんのこっちなのおかしくね〜？」
血だらけのつなぎを鬱陶しそうに脱ぎ、腰元でぐっと結ぶ。いま見つかったら完全にアウトだ。対策なんてない。見つかる前に速攻で帰るだけ。
青「片付けるか片付けられるか。だったら片付ける方がいいでしょ」
転がった死体を横目に橋本がそっとつぶやいた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 149人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れわ(プロフ) - 和音♪さん» 和音♪さん初めまして！コメントありがとうございます〜！！！とっても嬉しいです！頑張れます！笑 ありがとうございますこれからもよろしくお願いします！ (2019年9月24日 1時) (
レス) id: 3180774200 (このIDを非表示/違反報告)
和音♪(プロフ) - こんにちは！いつもこの作品を楽しみにしています！HiHi Jetsのローラーがすごい生きていて、めっちゃ面白いです！これからも楽しみにしています！頑張ってください♪ (2019年9月22日 14時) (レス) id: b5f084be84 (このIDを非表示/違反報告)
れわ(プロフ) - ぽむさん» ぽむさん初めまして！コメントありがとうございます〜嬉しい言葉たくさんで泣きそうです！更新についてのご意見もありがとうございます！せっかくいただいたので、できるだけ更新頻度高めにできるようにしますね！ほんとうにありがとうございます！ (2019年9月21日 1時) (レス) id: 3180774200 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむ(プロフ) - 初めまして、こんばんは。いつも楽しく読ませていただいてます。こういう作品を待っていた！出会いたかったのはこれだ！という気持ちです。個人的には、更新頻度が高い方がいいかなあと思っていますが、れわさんのやりやすいようにして頂くのが1番ですかね。 (2019年9月18日 0時) (レス) id: ef5fa22271 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：れわ | 作成日時：2019年9月6日 2時
