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幸せってなんだろう。
自分のことを好きでいてくれる人と一緒にいるのは柔い温度に包まれているみたいで心地がいい。
それが優太さんだ。
優太さんは私の心を癒す力を持っている。
紫耀とのことで辛いという感情を認めたとき、どれだけ優太さんの存在に救われたんだろう。
それなのに、
それなのに…って。
私は優太さんのところから家に戻ったあと、
自分の浅はかさに苛立って涙を流すことしかできなかった。
傷つけてしまった。
結局私だって自分のことしか考えられてなかったんだって気づいた。
これからどうすればいいのか、どうしたいのか
何も分からないまま朝を迎えていた。
優太さんに何度もメッセージを送ろうとしたけど、相応しい言葉が思いつかなかった。
寝不足のせいで眠たいからなのか、気分が下がっているからなのか理由は不明だけど今日は全く講義に集中できなかった。
早く優太さんに謝らなきゃ。
そんなことが頭の中にずっとあった。
4限を終えて帰ろうとしたとき。
“話したいことがあるんだけどまだ大学にいる？”
優太さんからだった。
すぐに返事をして優太さんの待ってるキャンパス内のカフェへと向かう。
たまに二人で話していた所だから懐かしく思えた。
「優太さん…」
優太さんに呼ばれたときから既に、きっと明るい話ではないと思っていたけど
私の声に反応して見上げた優太さん表情でそれが確信へと変わった。
心臓が小刻みにけれど早々と動き出す。
ゆっくりと椅子に腰をかければ、
「目…腫れてる？」
優太さんが心配そうに問いかけた。
「ちょっとだけです…」
散々泣いたからか、確かに腫れてはいる。メイクでも上手いこと隠せなかった。
「ごめんな…俺のせいでしょ？それ」
どうしてそんな優しい声色なの？
優太さん、怒ってるんじゃないの？
「違うんです…私、自分がもう嫌で嫌で仕方なくて…。ごめんなさい…昨日は本当に」
「顔上げてよ…。
俺、間違ってたよ」
「俺たちの関係だけ無理矢理変えても意味ないんだよな。
Aに想いを伝えて、俺が彼氏になれば…Aが紫耀のことで悩むこともなくるって思ってたんだ。
だけどそれって俺の自己満でしかないんだよ。余計Aを悩ませたと思う」
声が出なくて、首を横に振って意思表示をするしかなかった。
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作者名：來
| 作成日時：2020年12月13日 19時
