84自分自身への言葉 ページ34
私のおでこにそっと置かれた轟くんの右手。私が不思議そうに轟くんを見ると、だんだんとおでこがひんやりとしてきた。轟くんの個性だ。
「轟…くん…」
「ついててやるから…ゆっくり休め…」
「……轟くんも…寂しいの？」
「え…」
変なことを聞いてしまった。
「…ごめん、変なこと…でも、寂しかったろって言
葉…なんだか轟くんが自分自身に言ってるみたい
で…。でも大丈夫だよ…轟くんも1人じゃない…
…大丈夫…」
「………お前に…言ったんだよ」
「…そっか……ありがとう…」
私はニコッと微笑むと、ゆっくり目を閉じた。
�犲笋靴�ったろ��
その言葉が嬉しかった。大丈夫なはずだった。1人で
いることなんて当たり前で平気なはずだったけど、
本当は誰かにいて欲しかった。甘えたかった。そん
な気持ちが溢れてきたんだ。
「…轟くん…ありがとう…」
「…うん」
「冷たくて…気持ちいね」
「…うん…」
冷たい手で優しく私を寝かしつけるように撫でてく
れる轟くんを感じながら、私は眠りについた。
･
「…A」
眠りについたAを見つめる轟。
「…自分自身に…か」
Aの言うとうり、自分自身に言ったのかもな。誰
にも頼ることなく一人でいるAのことを考えた
ら…なんだか自分と重なる部分があった。あの言葉
は、きっとそこから来たんだろう。
「…なんで…お前はそんなに…」
…俺の心を熱くさせるんだ…
優しくAの頬を撫でた。
ご飯を食べた後、薬も飲まずすぐに寝てしまったA。
Aを起こさないように、買ってきた薬とコップ1
杯の水を用意した。
「…A…」
「ん……」
気持ちよさそうに眠っている。
「………なぁA」
そんなAに小さな声で話しかけた。
スースーと寝息を立てて深い眠りにつき、起きる気
配がない。微かに、鼓動が脈打った。
「…爆豪じゃなくて……俺を……」
そう、無意識に出た言葉。
高鳴る鼓動と体を止められなくて、俺はAが飲む
はずだった薬と水を自分の口にふくんで、Aの唇
に自分の唇をゆっくりと重ねた。
そして、口移しで薬をAに飲ませる。
「……ん……」
「っ……」
そっと目を開けると、Aはまだ眠っていた。
「……無防備…」
再び右手の個性を使って、Aのおでこに手をやった。
「…轟……」
「！！」
すると、後から聞き覚えのある声で名前を呼ばれた。
「爆豪………」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 345人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まゆりぽ - 爆豪勝己の初恋２の38ページがめちゃくちゃ良かったです！第３段目、楽しみにしています！ (2022年12月31日 20時) (
レス) @page38 id: 12731aff21 (このIDを非表示/違反報告)
眠 - 何でこんないい作品に出会わなかったのだろう・・・全部見たけど終始ニヤニヤ止まらんかったわ！ (2021年9月26日 15時) (レス) @page36 id: cfd8dfa5f7 (このIDを非表示/違反報告)
シズク(プロフ) - ユイさん» ありがとうございます(´；ω；｀)そう言っていただけて嬉しいです(´；ω；｀)次回も頑張ります(´；ω；｀)b (2018年8月24日 8時) (レス) id: 6007a626ed (このIDを非表示/違反報告)
シズク(プロフ) - 胡瓜さん» 寂しいだなんて…ありがたきお言葉…(´；ω；｀)次回作も頑張りますのでよろしくお願いします！！ (2018年8月24日 8時) (レス) id: 6007a626ed (このIDを非表示/違反報告)
シズク(プロフ) - 涙うさぎさん» この小説でわたしも爆豪大好きなりました。笑(´∀`) (2018年8月24日 8時) (レス) id: 6007a626ed (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：シズク | 作成日時：2018年7月26日 0時
