51泣きたいなら、泣いていい ページ1
私と勝己は幼馴染で、いつも一緒にいた。
勝己は個性のない私の隣にいつもいてくれて、
守ってくれる私の憧れのヒーロー。
そんな勝己の事が、ずっとずっと大好きだった。
でも、無個性の私なんかじゃ、勝己の隣には
いられない。そう思って、この気持ちは
ずっと閉じ込めていたんだ。
いっつも喧嘩して、私にひどいことばっか言って
乱暴ですぐ大声でキレてくる勝己だけど…
私のことが好きだって、そう言ってくれた。
私も…自分の想いをやっと思い出した。
勝己が好きだってこと。
だから、伝えなくちゃ、そう思った。
勝己にこの想いを。
だけど…
「A」
「！！」
誰もいない夜道の途中に、1台の自動販売機。
そのすぐ隣にあるベンチに腰掛けぼーっと夜空を
眺めていた。
すると、轟くんがわたしの前に現れて名前を呼んだ。
「…轟くん…」
「…悪ぃな、追いかけてきたのが爆豪じゃなくて」
「…そんなこと…ないよ…」
轟くんは私の隣に腰掛ける。
「……勝己…怒ってた？」
「……なんで？」
「…私、逃げちゃったから…きっと、訳が
あると思うのに、酷いよね」
「…怒ってなかった。ただ、
今のお前みたいな、泣きそうな顔をしていた」
「…！！」
轟くんの大きな手が私の頭を優しく撫でてくれた。
「無理に物分り良い奴になろうとすんな。
嫌なら嫌と言えばいいし、泣きたいなら
泣いていい。誰にも言わねぇから。爆豪にも」
「っ…轟…くん…」
「……」
私の頭をそのまま自分の胸に持っていって、
優しく抱きしめてくれた。
「…っ…うっ…ふ…っうぅ」
その優しくて温かい温もりに安心して、涙が
溢れ出てきて止まらなくなった。
私も轟くんの背中に腕を回してぎゅっと轟くんの
制服を握りしめた。
この気持ちをどうしたらいいか分からず、
ただ、泣き続けた…。
･
その後、轟くんに家まで送ってもらい、勝己と
まひるちゃんに1度も会うことなく帰宅した。
でも、どの道明日の朝、勝己が起こしに来る。
だから、ちゃんと話をしなきゃいけない。
いや、起こしに来る…のかな…。
何を話したらいいんだろう。
謝る？でも、元はと言えば勝己が…。
ううん、そんなことより、1番気になるのは、
どうしてまひるちゃんとキスをしていたのかということ。
「…はぁ…」
考えることはたくさんあるはずなのに、
すっと目を閉じると、私はそのまま眠りについてしまった。
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まゆりぽ - 爆豪勝己の初恋２の38ページがめちゃくちゃ良かったです！第３段目、楽しみにしています！ (2022年12月31日 20時) (
レス) @page38 id: 12731aff21 (このIDを非表示/違反報告)
眠 - 何でこんないい作品に出会わなかったのだろう・・・全部見たけど終始ニヤニヤ止まらんかったわ！ (2021年9月26日 15時) (レス) @page36 id: cfd8dfa5f7 (このIDを非表示/違反報告)
シズク(プロフ) - ユイさん» ありがとうございます(´；ω；｀)そう言っていただけて嬉しいです(´；ω；｀)次回も頑張ります(´；ω；｀)b (2018年8月24日 8時) (レス) id: 6007a626ed (このIDを非表示/違反報告)
シズク(プロフ) - 胡瓜さん» 寂しいだなんて…ありがたきお言葉…(´；ω；｀)次回作も頑張りますのでよろしくお願いします！！ (2018年8月24日 8時) (レス) id: 6007a626ed (このIDを非表示/違反報告)
シズク(プロフ) - 涙うさぎさん» この小説でわたしも爆豪大好きなりました。笑(´∀`) (2018年8月24日 8時) (レス) id: 6007a626ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シズク | 作成日時：2018年7月26日 0時
