五月。 ページ8
「いいか？この城には誰も入れない『願いの部屋』がある。その部屋に入ればどんな願いでも叶えてくれる。」
どんな、願いでも。
その言葉にこころはハッとしてオオカミ様を見つめる。
「ただし！その部屋に入るには願いの鍵が必要だ。そして…その部屋に入れるのは一人だけ。君たちにはこれから三月までこの城の中で願いの鍵探しをしてもらう。見付けたヤツ一人だけがどんな願いでも叶えられる権利を持てるってわけだ。…理解したか？赤ずきんちゃん」
「あ、赤ずきんちゃん？」
こころが困惑した声を出せばオオカミ様にムッとした声で「お前らは迷える赤ずきんちゃんなんだろうが」と言われた。
全員、黙る。
オオカミ様の説明に納得したわけではなく、圧倒されて。むしろ疑問ばっかりで何を言えばいいのかわからなかった。全員がそう思っているのが空気でわかってしまう。
そんなこころたちをみてオオカミ様とは「互いの顔色を窺うのはやめろ！」と声を荒げる。
「自分が聞かなくても誰かが聞いてくれるんじゃないかって期待するのはやめろ！なにか言いたいことがあるなら直接自分で聞け！」
「…じゃあ、聞きたいんだけど。」
しん、と静まり返った中で落ち着いた声が響く。
綺麗な黒髪をお腹辺りまで伸ばして、大人っぽいシンプルなワンピースに身を包んだ女の子だった。
まるでお人形さんのような白い肌に綺麗な顔立ち、ずば抜けたスタイル。
なんだかこのお城が似合うななんてこころは思う。
全員の視線がその子に集まるがその子は一切気圧される様子を見せず、堂々とまっすぐにオオカミ様を見つめた。
「ふん、ようやく話し始めたな。なんだ？」
偉そうにオオカミ様が言えば女の子は息を吸って一息に言う。
「なんで、そんなこと...願いが叶えられるの？というか、なんでそんなことに私や…ここにいる子達が集められたの？それに、ここはどこなの？あなたは誰？そもそもにこれって現実なの？」
女の子の矢継ぎ早な質問にオオカミ様はうるさいうるさい！と叫んで耳を塞ぐ。狼面の耳じゃなくって、自分の…人間の耳を。
その様子を見て聞けって言ったの自分じゃないの…と呆れたように座ったままの眼鏡の女の子がつぶやいた。
「夢がないな。自分が物語の主人公格に選ばれたことを無邪気に喜んだりしないのか？」
オオカミ様の返答に黒髪ロングの女の子は顔をしかめると、違う子が口を開いた。
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怜(プロフ) - トロイカさん» 本当ですね！？気づくの遅れてすみません…修正しました！ (4月4日 20時) (
レス) id: b646ea4538 (このIDを非表示/違反報告)
トロイカ(プロフ) - 全部で8人では？ (2月14日 21時) (レス) @page11 id: ccf39fbb9a (このIDを非表示/違反報告)
7Tw2ErnmNI22864(プロフ) - ちょうど昨日金ローの録画をみて、こういうの読みたいなあって思ってました！つぎのお話も楽しみにしてます！！🙏🙏 (2月14日 20時) (レス) id: 28c0945122 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜 | 作成日時：2024年2月9日 21時
