五月。 ページ15
そんな軽々とした声が聞こえて、こころは一瞬息が止まるくらいびっくりした。
リオンだった
だけど、こころの心配とは裏腹にウレシノは話しかけられたので緊張がほどけたような表情になる。
「嬉しいっていう感じに野原の野」
「うわぁ、めっちゃ画数多そう。オレ、その字かけないわ。っていうかテストのときとか、超時間かかりそう」
「うん、ちょっと時間かかる、問題特時間それで損してるな、ってよく思う。」
ウレシノが嬉しそうにニッコリと微笑んだ。それを合図にして空気が軽くなる。
「あ、僕中一」
と彼が情報を追加した。
「よろしく」
「皆、中学生なんだ」
アキが言った。全員のまとめ役よろしく、皆を見渡して頷く。
「ねぇ、もしかしたらオオカミ様が聞いてるかもしれないんだけどさ。――皆、なにか、心当たりってある？ここに、よばれた理由について。」
そうやって尋ねるアキの声音に波打ち緊張を感じたのはきっとこころの気の所為ではないだろう。
「ねぇよ」
間髪を入れずにマサムネが答える。
「ねぇよ。心当たりなんてなにもない。」
「…そう、だよね」
どこか安心したような表情でアキは頷く。それを見て、こころも一緒に胸をなでおろしていた。
なぜ、自分たちがここに呼ばれたのか。
自己紹介が終わって、またゆっくりと沈黙が部屋を支配していく。
さっきから、また誰も誰とも視線を合わせようとしていなかった。
言葉遣いがつっけんどんだったり。たどたどしかったり。いろいろだけれど、皆こころと同じことに気づいて黙っているのだ、と思った。
みんな、学校に行ってない。
でも誰もそのことに突っ込まない。話さない。聞かない。
その気持ちが、誰も何も言葉にしていないのに、見えない気遣いみたいに共有されていることが伝わる。
誰も、ここでそんなことを確認したくないのだ。
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怜(プロフ) - トロイカさん» 本当ですね！？気づくの遅れてすみません…修正しました！ (4月4日 20時) (
レス) id: b646ea4538 (このIDを非表示/違反報告)
トロイカ(プロフ) - 全部で8人では？ (2月14日 21時) (レス) @page11 id: ccf39fbb9a (このIDを非表示/違反報告)
7Tw2ErnmNI22864(プロフ) - ちょうど昨日金ローの録画をみて、こういうの読みたいなあって思ってました！つぎのお話も楽しみにしてます！！🙏🙏 (2月14日 20時) (レス) id: 28c0945122 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜 | 作成日時：2024年2月9日 21時
