五月。 ページ12
「…あのさ、その…ペナルティーの内容についてだけど」
重い空気の中、声を上げたのはポニーテールの女の子だった。
ポニーテールの女の子は戸惑うような表情はこころと同じだけど…こころよりはよほど落ち着いてきたように見える。
「食べられるっていうのは文字通りの意味で？」
オオカミ様がコクリとうなずく。
「そりゃもう、頭から丸呑み。巨大な狼が出てきて―大きな力でお前たちに罰を与える。それが一度始まってしまうと、誰にもどうにもできない。」
オオカミ様はゆっくりと全員の顔を見回して、あ、と声を上げる
「いい忘れていたが…誰か一人がペナルティーを受ける時…一人が帰らずにいた場合はその日、城に来ていた他の奴らも全員連帯責任で狼に食われる。それと！童話よろしくお母さんを呼んできて腹掻っ捌いて代わりに石を詰めるとかもやめろよ。シャレにならないからな」
「会ったばかりなのに、連帯責任なの？」
高い声が響いた。眼鏡の女の子だ。
「まだお互いのことをよく知らないのにそこは信頼しあわなきゃだめってこと？」
「そうだ。せいぜい仲良くしろ」
別の質問が出た。
「ねぇ、三月三十日までっていうのは間違いじゃない？三月は三十一日まであると思うけど」
それまでずっと無言だった、ジャージのこころが内心でイケメンと思った男の子だった。
「訂正はしない。三月三十日までがこの城が開いている期間だ。そうだな…強いて言えば三月三十一日はこの世界のメンテナンス期間のようなものだ。」
オオカミ様が答えると男の子は納得できない、といった表情を浮かべ
「....」
結局何も言わず、ふいと顔を背けてわかった、と小さく呟いた。
「まあとにかく、時間さえ守ってもらえればここで何をしてもいいし、気軽に来い。」
「気軽に、ってねぇ…」
ポニーテールの女の子がなにか言いたげに口を開くと、ちょうどそのタイミングで鐘がなった。
「おっと…もう四時半か。」
音の出どころは大時計。ちょうど4時半を告げるものだった。
「お前たち、待っている間に城の中は見たのか？」
オオカミ様の問いかけに、こころを除いた全員が小さく首を横に振った。
「そうか。なら、こっちへついてこい。」
オオカミ様はそう言うと、階段を登り始める。
階段を登るとすぐに、暖炉とソファーのある、小さなロビー...待合室なようなところがあった。
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怜(プロフ) - トロイカさん» 本当ですね！？気づくの遅れてすみません…修正しました！ (4月4日 20時) (
レス) id: b646ea4538 (このIDを非表示/違反報告)
トロイカ(プロフ) - 全部で8人では？ (2月14日 21時) (レス) @page11 id: ccf39fbb9a (このIDを非表示/違反報告)
7Tw2ErnmNI22864(プロフ) - ちょうど昨日金ローの録画をみて、こういうの読みたいなあって思ってました！つぎのお話も楽しみにしてます！！🙏🙏 (2月14日 20時) (レス) id: 28c0945122 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜 | 作成日時：2024年2月9日 21時
