《文スト》転生少女と黒の時代 弐。

願望とか想いとか ページ9

あぁ、今頃織田作は美味しい咖哩を食している頃なのだろう、と溜息を吐く気力もなく。



いや、ね？


Ｑちゃん私大好きだし、否逆にもうバンバン来いよって云いたいくらいなんだけれども。


……織田作と太宰さんで咖哩食べたいじゃん、ね？(威圧)

今現在、正午前。


……首領、恨むぞ。



＊



「済みません、もう泣いていいですか」



「いやぁ、本当に申し訳ないね……」



襲撃後に電話が来たと思ったら真逆の首領。


そして如何やら地下牢からＱちゃん姿を消したの事。


もうなんだよ、皆隠れんぼじゃねぇんだからよと突っ込みたくなる。


然し首領に逆らっては、自 殺行為そのもの。

結論、また捜さなければいけないということになり。


……やべぇ、涙出そう。(切実)



＿＿＿一ヶ月前迄は普通のモブ女子高生だった筈の私が、最早ブラック企業に近い処に就き。

然も、就いた元はドンの補佐。


初日から金縛りにでも遭った様な筋肉痛。


……然しネガティブ思考になっては何も始まらないとポジティブ思考を改めて生活することにした。


其れから私は白目を剥きながらもＱちゃんを捜し、遂には洋菓子屋にいる事が判明することからと云えば話は疾かった。


ガラスケースに並んである洋菓子を輝かしい目で見詰める様子は、とても純粋な子供に見えたのである。



＊


あれ、何かあらすじみたいになってない？と思った方もいるだろうが気にしないで欲しい。


……でもまぁ、Ｑちゃんの餲を食べてる幸せそうな顔を見ていると悪い気はしない。



「……お姉ちゃんは食べないの？」



「私はいいや、ほら今ダイエット中。


……私の事はいいから食べて」



Ｑちゃんの言葉にそう返すと、ふーんと如何でもよさそうに呟き乍ら餲をもぐもぐと食べるＱちゃん。



「……太ってはないと思うけど」



じーっと自分の躰を見詰められたかと思うと、再び餲をもぐもぐと食べ始める。


くっ……我慢しろA……！

もう少しの辛抱だ……後五瓩(5キロ)痩せれば……！


甘い物の誘惑に悶えていると、Ｑちゃんが口を開けた。



「食べたいなら食べればいいじゃん」



そしてＱちゃんがまた新しい餲を手に取ると、私の口内に押し込んだ。



……ごっふ！？

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