《文スト》転生少女と黒の時代 弐。

積み重なる文書を目に ページ22

「oh……」

太宰さんの部屋には積み重なる書類。床にも数枚落ちている。

おい。あの人確かに幹部だよな。何故こうなるんだ。私の方がまだ身元整理できるわ畜生。

小説やアニメでは目にしなかった太宰さんの私室。もはやそれはゴミ屋敷予備軍であったのだ。

「嘘だろ……おいおいおい……私は本当にあの人の補佐になってしまったのか？」

いや、駄目だA。いつなる時も、如何なる場合でも現実から目を逸らしてはいけな＿＿

「A〜！」

いや夢だった。

扉が開いたと思ったら、そこに現れたのは太宰さん。それは恍惚とした顔で抱きついてきた(謎)

何、すげぇいい匂いする……はっ！ 駄目だ！ これじゃ私ただの変態じゃないか!！

直ぐに理性を取り戻し、彼を体から引き剥がす。

「あの太宰さん。この書類は何です？」

「これかい？ 否、ただの塵紙だよ」

「嘘でしょう」

「……嘘ジャナイヨ」

なんだこの人。思わず憐れみの目を向けそうになってしまった。

取り敢えず幹部の補佐である私の仕事。補佐しなくては意味がない。直ちにこれをどうにかしなくては。

「杞憂だねえ、Aも」

「補佐ですから」

うわ、これいつのだよ。確かこれ中也さん２週間くらい前に首領に渡してなかったか。

え、これこのまま放置してたら私まで怒られる羽目になるじゃんかよ。おいどうしてくれんだ最年少幹部太宰さんよ。時と場合によっては首が吹き飛んで肢体もバラバラにされるぞ。

……資料提出って学生時代を思い出すな。
少しの間懐古していると、再び現実へと戻される。

いけない、過去は振り返っちゃ駄目な筈なんだけど。

「＿＿っと、太宰さん。取り敢えず分類しましたので、この分よろしくお願いできますかね」

「いいけれど、Aの分凄いね？ 私なら１週間はかかりそうだ」

「今日迄に」

「……え？」

「私は取り敢えず今日迄これを終わらせます。太宰さんだって真逆これだけが仕事ではないでしょう？」

にやり、と自分でも分かってしまう程口元が上がる。

さあさあ、ひと頑張りしますか。

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