《文スト》転生少女と黒の時代 弐。

番外編-出会い ページ13

＿＿＿暗闇の中、私は謎の浮遊感に襲われる。


まるで海に溺れている様な、それでいて何故か温度を感じない空間に私は居た。


不思議ながらも、私は静かに瞼を閉じた。




・



「痛っ」



＿＿＿此処は何処だろう。


瞼を開け、周りを見渡すと其処は騒がしい交差点。



……はい？

おい待てよ、私は先刻まで学校に居たよな？

……な？



足りない脳の思考力で必死に考えるも、今何故私が此処に居るのか理解が出来ない。




取り敢えず私が思い出せる最後の記憶を全てを辿る。


＿＿＿あ。


……そうだ、私学校の階段で転けたんだよ！！

ダサい事に！！


まぁ、其れが判った所で何になる、と言われれば如何仕様もないが。



うーん、あの拍子にトリップ……とか有り得そうなんだけど。



「君、大丈夫かい？」



急に声を掛けられた。

声のする方に振り返ると、中年のおっさん(語彙力)が居た。

……髪がボサボサになって顔見えないけど。


赤信号になるけど、と青色が点滅している信号を指差した。


……やっべぇな、ありがとよおっさん。

トリップして早々交通事故とか洒落になんないわ。



「すいません、有り難う御座います」



「否、其れは良いんだけど……」



＿＿＿君、先刻迄居なかった筈なのだけれど？




ボサボサで見えなかった髪が解け、その中年男性の顔が私の瞳を捉える。



＿＿＿嗚呼、神様。



何故私が此の世界にトリップしてしまったのだろうか。



目の前に居る人物が【文豪ストレイドッグス】の【森鴎外】と判った時、もう既に私の結末は予測できた。

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