検索窓
今日:21 hit、昨日:3 hit、合計:429,437 hit

片手に持つ刃は何処へ ページ45

織田作さんは背後の壁に体重を預けた反動で、別方向に跳ね、男と距離を取る。


回転し乍ら銃を引き抜き、その殆ど同じ瞬間で、パンッと一発撃った。


弾丸は男のたった今踏み出しそうな処に着弾し、男の動きが止まる。

そして織田作は再び拳銃を構え、ナイフが斜めに振り抜かれる。





___私とは、まるで別の世界の様だった。

何もできない私は、自分に屈辱を与えた。





お互いが仕掛けては避け、そんな戦闘が続く。

相手の狙いは、此の白い金庫。

此の狙撃手に狙われる程の金庫の中身を見てみたい気もするが、私は黙って只立ち尽くす。


私達の後方で、叩き折る様な銃声がした。

織田作が撃った音ではない。

まさか_______


背後に、敵が、もう一人、いる


理解を遅れさせない為、言葉を区切って脳に伝達した。

拙い、此のままじゃ___と思った時。



「織田作!A!


屈め!」



漸く、ヒーローのお出迎えか。

太宰さんの声が聴こえ、ほっとしたが、まだ戦いは終わっていない。

太宰さんの云う通りに屈むと、関光、破裂音、金属の裂ける高音、地面、壁が砕けはがれる破壊音がした。

恐らく、太宰さんが仕掛けた手榴弾だろう。


煙が漸く無くなり、その場の中心には太宰さんが立っていた。

その後方には、太宰の部下と思われる人物が四、五人程銃を構えにきた。


其の直後、先刻の二人の男達である悲鳴が聴こえた。

其れは一瞬で、瞬きした瞬間に男たちは血の海に溺れていた。



「君は全く困った男だなあ織田作

君がその気になれば、こいつら何かひと呼吸の間に殺せるだろうに


___Aもだよ

伊達に首領補佐をやっていないだろう?

其れこそ君なんか、首領の座を一日掛けなくとも奪えるだろうに」



......呼び名が呼び捨てになっていた事は今は云わないでおこう。


すると織田作が口を開いた。



「殺したのか?」

己に願うものあり→←援けは要らぬと動揺は要らぬと


文豪達のラッキー愛

乱歩さんのお菓子への愛


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (178 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
368人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

アルパカはむはむ(プロフ) - れたすさん» すいません、修正します! (2017年3月22日 20時) (レス) id: aa53b83762 (このIDを非表示/違反報告)
れたす(プロフ) - 苗字と名前がおなじになってますよ! (2017年3月22日 20時) (レス) id: c8875f112f (このIDを非表示/違反報告)
舞花 - オリエンス★さん» 誤字報告有難う御座います!よく間違えてしまうんですよね......(+_+)すいませんでした、修正します! (2017年2月26日 21時) (レス) id: be55d2a0f5 (このIDを非表示/違反報告)
オリエンス★ - あの、姐さんの名前ってこうようですよね?28ページの11行目、ルビがくれはになってますよ? (2017年2月26日 19時) (レス) id: 45aae5d70b (このIDを非表示/違反報告)
舞花 - 続編出来ました!皆様、沢山の評価、お気に入り有難う御座います。今後とも宜しくお願い致します! (2017年2月25日 22時) (レス) id: be55d2a0f5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:アルパカはむはむ | 作成日時:2017年2月17日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。