戦場で青鬼は笑う ページ1
厳しい戦いだった。
前線に立つ私に厳しくない戦いなど無かったけれど、それでも過去1番と言えるほど敵の猛攻は続く。
次から次へと切り捨てやっとひらけたと思った道がすぐに敵の兵で埋まる。
所詮は捨て駒なのだろう。
ろくな装備もせずに安物の切れ味の悪そうな剣一本と1人一つずつくらいでしかつけていないツギハギな防具のみでこちらへ向かってくる兵の目は恐怖からかヤケクソなのかギラギラと鈍く光り隙だらけの振りで剣を振り、私の手で息絶えていく。
もう、限界だった。
いくら相手が弱くても、明らかに軍人ではない捨て駒でしかない人を殺め続けなければならない。
それも数えることなんてできないくらい大勢の。
精神的にも肉体的にも徐々に削られてきて、剣も人の油と血で切れ味が悪くなってきていた。
このままでは私もいずれ彼らの人海戦術にやすやすと敗れ、私が今も地面に積み重ねているような人だったものになってしまうのであろう。
「っ..」
もう、疲れてしまったしそれでもいいかなと思ったが、他の味方兵の攻撃を抜けてきた敵兵の攻撃に思わず反射で対抗し、心臓をひと突きした。
「いいぞ!バケモノも...あの戦場の魔女も疲れが出てきた!!
全兵進め進め!!」
騎乗にいてガチガチに防具に身を包む敵兵の司令官が嬉々とした声をあげ、ざっと私へ敵も味方も視線が集まる。
余計なことを言いやがって...!
味方兵は私がバケモノであってもこの隊の一番の戦力であることを理解しているからか私を中心に少し守るような体制に変わり、敵は私をしっかりとターゲットしたのかこれまで以上に雪崩れ込んでくる。
「バケモノは大人しく4ねぇ!!!」
嬉々として叫ぶ敵兵の影が、ふっと頭の部分が飛んだ気がして向けられる剣を押し返しながら振り返る。
「よっと、お邪魔しますよー」
宙に浮かぶ生 首。
水色に輝くダイヤ剣を派手に振り回した彼はまるで宙から落ちてきたかのように不自然な位置で敵兵の首を打ち取っていた。
戦場には似つかわしくない青縞の服に青のニット帽。
また赤チェックのマフラーという標的にされやすすぎる服装で現れた彼はそのまま手綱を引く者を失った馬の背に飛び乗り、優雅に馬を操り出した。
「えぇ、俺馬そんな得意じゃないんだよね」
本人も言う通り少しぎこちなく手綱を握り混乱するその場を作り出した張本人とは思えないほどゆったりと笑う彼と目が合う。
「あ、こんにちは
ごめんねぇ掻き乱しちゃって」
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透明玄師(プロフ) - 初見ですさん» コメントありがとうございます。7年ぶりに戻ってきたので当時とは書き方が変わってしまいますが続き検討いたします!語彙がかなり下がってしまっているので申し訳ない💦 (4月22日 4時) (レス) id: e13ba85518 (このIDを非表示/違反報告)
初見です - あ、あのめちゃくちゃ大好きですよければ数年ぶりですが続きとかって。。。 (12月21日 2時) (レス) @page45 id: 2300fa5b80 (このIDを非表示/違反報告)
Mentaiko(プロフ) - ページ36のruさんの「はぁ!?」の表記がrdさんの表記になってますよ、 (2023年1月8日 19時) (レス) @page36 id: da99e2fb00 (このIDを非表示/違反報告)
透明玄師(プロフ) - honaさん» 他とは被らないことを意識しつつマイワールド展開したらこうなっちゃいましたw更新頑張ります!ありがとうございます! (2019年5月19日 20時) (レス) id: 9aba64d5b7 (このIDを非表示/違反報告)
透明玄師(プロフ) - イトさん» コメントありがとうございます!何回も!?それは更新遅くて申し訳ないです…!コメント頂けるだけで十分嬉しいので大丈夫ですよ、ちまちま更新頑張りますね! (2019年5月19日 20時) (レス) id: 9aba64d5b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:透明玄師 | 作成日時:2019年2月4日 3時