異世界（確定） ページ5
NO side
街に降りたAとグリムは、人混みの中歩き出した。
『……ホンマに文字読めん』
グリム(オレ様もなんだゾ)
『(え、どうするよ？このまま帰れなかったら)』
グリム(イヤなんだゾ！オレ様デラックスメンチカツサンド食べたいんだゾ！？)
『(作れば？)』
グリム(人が作ったやつの方が美味いに決まってるんだゾ)
『(そっかー、それもそうかー)』
脳内で会話しながら歩くA。ずっと肩に乗っているグリムは楽で良さそうだ。
しばらく歩くと、先程と違い全く人気がなくなった。しかも異様な気配がする。
Aは異変を感じ、思わず足を止め、顔を動かさず目だけ動かして周りを見ている。グリムも異変に気付き、Aの肩から降りた。
その時、後ろから気配を感じた。二人が瞬時に振り返ると、一人の子供がいた。
『(子供……？)』
Aはゆっくり近寄り、子供に「ねぇ」と話しかけた。子供はビクビクしながら振り返った。どうやら泣いているようだ。
Aはしゃがんで子供と目線を合わせた。
『ねぇ、こんな人気のないところでどうしたの？迷子？』
Aがそう聞くと、子供はゆっくり頷いた。
『お家は？』
「……ずっと、あっちの方……」
『そっか、なんでここにいたの？』
「……と、友達とかくれんぼしてて、見つからないところに隠れたんだけど、いつまでも来ないから待ってた。そしたら、暗くなっちゃって……」
『お友達を探しに行けば良かったんじゃない？』
「んーん、�犖�つけるまで動いちゃダメ�瓩辰童世錣譴討燭�ら」
『……そっかー』
『(……いや、これ犯罪だぞ？)』
そう、犯罪である。
かくれんぼで鬼が勝手に帰ることは監◯罪に当たる場合がある。注目すべきは「見つけるまで動いちゃダメ」という点だ。そもそも◯禁罪とは拘束されており自由に動けない場合、または身体的には移動できるが言葉や精神的な拘束によって動けない場合にも適応される。つまり、かくれんぼにおける監◯罪とは「見つかるまでぜったい出てこないでね」という�犖斥佞砲茲觜澗��瓩�ある場合、適応されてしまうということだ。ここでいう拘束は縛られているといった意味だけでなく、その場所から移動や脱出を不可能にすること、また困難にすることをいう。よって、自由に移動できる状態であっても、言葉による拘束があるという意味で「監◯」が当てはまる。
『……じゃあ、家まで送るよ』
「え、でも」
『大丈夫、実は私も迷子だし』
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作者名：すっとこどっこい | 作成日時：2024年2月24日 0時
