35.regret。 ページ35
Trey side
小さい頃からセシルは不思議な奴だった。
「セシルも来ないか？」
「僕は…勉強している。トレイ、チェーニャ、リドルをよろしくね。」
「それは残念だにゃあ」
チェーニャと二人、リドルとセシルを遊びに誘ってもセシルだけは来ない。
かといってリドルを引き止めはしない。
どこか少し、大人びた子供だった。
ナイトレイブンカレッジに入って二年目。
入学式には2人がいた。
顔は元からそっくりだったが今となっては伸びた髪も同じ。
「やぁトレイ。久しぶりだね。」
「ああ、リドル、セシル、入学おめでとう。」
「ありがとう、ございます。トレイ……先輩。」
距離が明らかに置かれているのが分かった。
昔もそこまでだったが、ここまでハッキリ実感はしなかった。
振る舞いや口調は昔と変わらずにリドルに合わせているのだろうか、そんな部分もよくあるが、己の中で線引きをしている所もあるのだろう。
リドルがオーバーブロットした日の後も前も、気にしているとは口だけで、正直リドルのことばかり気にしていた。
心のどこかで『セシル』は大丈夫だと決めつけていた。
だから、セシルもオーバーブロットしたと聞いて耳を疑った。
『大丈夫』なんて確証は元から無いのに。
「無茶、するな。ゆっくりで、ゆっくりでいいんだ。」
「う、うぅ、ﾋｯｸ……うあ、ﾋｯｸううう」
これはただの偽善だ。
セシルにとっても、俺にとっても。
ただ、同じ過ちは2度も繰り返さない。
そう決めた。
「リドルだけじゃない、俺も、ケイトだっている。誰かになろうとなんて、自分になろうとなんてしなくていいんだ。『セシル』の心のまま動けばいいんだ。人は一人で生きてるわけじゃない。頼ればいい、吐き出せばいい。間違ったっていい。」
みんなにとっても、俺にとっても、セシルにとっても、前に進めるように。
扉の向こう側にはリドルとケイト、エースとデュースが居るのが何となくわかる。
「大丈夫だ、みんなお前と一緒に歩いてる仲間だ。」
俺らはみんな、セシルを待ってるんじゃない。
一緒に歩いていくんだ。
言葉にしなくちゃ伝わらない。
俺は後悔をもうしないためにも、そう言葉に出した。
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(名前)(プロフ) - あぁ…良い…でも見ていくうちにどんどんりどるのゲシュタルト崩壊が… (2023年1月25日 7時) (
レス) @page8 id: 2e5d9e36c3 (このIDを非表示/違反報告)
ののの - 素晴らしかったです！！！！😭 (2022年9月19日 0時) (レス) @page42 id: 4f3997e613 (このIDを非表示/違反報告)
♦nana♦ - とても最高でした！ 私も、自分らしく自由にいていいと思うことができて、とても嬉しかったです！応援しています！ (2022年1月1日 21時) (レス) @page42 id: 16b63c63b8 (このIDを非表示/違反報告)
シン - 神な作品ありがとうございます！！これからも応援してます！ (2021年5月29日 10時) (レス) id: 0fa80a0c97 (このIDを非表示/違反報告)
病葉 - いやぁ…あのリドルの悲痛の叫びを花江夏樹が…今をときめく鬼狩りの少年がよぎったのは気のせい？ (2020年10月23日 22時) (レス) id: 0515bcf5a2 (このIDを非表示/違反報告)
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