39.cake ページ39
心地よい音がする。
僕とリドルは二人でトレイ先輩の家に訪れた。
扉をくぐればそこにはチェーニャとトレイ先輩のふたりが待っていた方のようにケーキを用意して座っていた。
リドルはその光景が懐かしい、と笑みをこぼしていた。
きっと、数年後の僕も同じことを思うのだろう、と思い、リドルに支えられながら、椅子に座る。
「大丈夫だったのか？」
「ああ、やるべき事は終わらせてから来たよ。」
ウェットティッシュで手を拭いた後、召し上がれ、と目の前に差し出されたチョコレートケーキにフォークを向かわせる。
隣のリドルも同じく、キラキラとしたいちごのタルトをおいしそうに頬張っていた。
「それで、どうだったんだ？」
不安げにトレイ先輩は僕たちに目を向ける。
結果を言ってしまうと、特に母からの話はなかった。
あの後、普通に時が過ぎていった。
変わったことといえば、僕に目も向けなかった母が、少しずつ僕に歩み寄り始めたり、リドルに対する縛りが少し緩くなった。
そう少しずつ。
僕とリドルのように母も少しずつだが僕らから目を逸らさなくなった。
勿論まだまだ厳しい事もある。
それはみんなで乗り越えていけばいい事だ。
「まぁ、リドルもセシルも良かったんだにゃあ。」
「ちょ、チェーニャ、やめてくれっ！」
リドルに頬を擦り寄せるチェーニャを横目に、僕は1口、チョコレートケーキを頬張った。
昔、たった一口だけ許されたチョコレートケーキ。
「おいしいっ…！！」
僕は思わずトレイ先輩を見てそう言うと、「それは良かった」とトレイ先輩は笑顔を返してくれた。
「セシルのそのチョコレートケーキも美味しそうだにゃあ。」
「あ、あげないよっ…」
「ははは、まだケーキはあるんだからそうセシルをからかうなよ、チェーニャ。」
それから僕らは母に許された時間まで4人で様々な話をした。
『楽しい』
このキラキラとした時間がどうしようもなく好きになってしまった。
「そうだ、写真を撮らないか？」
「写真…？」
「そういえばみんなで1枚も撮ったことがないんだにゃあ。」
そうして僕らは写真を撮ることにした。
ﾊﾟｼｬﾘ
「#幼馴染 #初めての写真 #いつもありがとう #元気にしてます か。よかったじゃん、セシルくん達。」
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(名前)(プロフ) - あぁ…良い…でも見ていくうちにどんどんりどるのゲシュタルト崩壊が… (2023年1月25日 7時) (
レス) @page8 id: 2e5d9e36c3 (このIDを非表示/違反報告)
ののの - 素晴らしかったです！！！！😭 (2022年9月19日 0時) (レス) @page42 id: 4f3997e613 (このIDを非表示/違反報告)
♦nana♦ - とても最高でした！ 私も、自分らしく自由にいていいと思うことができて、とても嬉しかったです！応援しています！ (2022年1月1日 21時) (レス) @page42 id: 16b63c63b8 (このIDを非表示/違反報告)
シン - 神な作品ありがとうございます！！これからも応援してます！ (2021年5月29日 10時) (レス) id: 0fa80a0c97 (このIDを非表示/違反報告)
病葉 - いやぁ…あのリドルの悲痛の叫びを花江夏樹が…今をときめく鬼狩りの少年がよぎったのは気のせい？ (2020年10月23日 22時) (レス) id: 0515bcf5a2 (このIDを非表示/違反報告)
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