【完了】4話だと私は思ったのです。 ページ6
霧野side
俺の学年は８クラスある。
俺はＤ組。宮原さんはＥ組だ。
隣のクラスだというのに全く接点がなかった。
それもそうだ。思春期の中学二年生がわざわざ隣の教室まで行って異性と関わろうとは思わない。
だが俺は彼女との出会いを女々しいながらも鮮明に覚えている。
俺は授業中、図書室にいた。
国語教師から、辞書を取りに行くよう言われたのだ。
図書室の鍵を職員室で借りて回すと、何故か鍵がかかった。
もともと開いていたようだ。
なんだ、無駄足だったのか。と少し苛立ちながらドアを開けると中はクーラーがかかっていた。
涼しい空気で気持ちも落ち着いてゆく。
読み古された本の香りが何とも心地い。もし授業がないのであればココにいたい。
一歩足を踏み入れると、とある女子が目に入った。
一体誰だろうか、と近づいて顔を確認する。
全く知らない少女だ。
ただ、綺麗だと思った。
窓から漏れる光と、古ぼけて黄ばんだ本。クーラーからの風でなびく茶色かかった髪の毛。
「あれ、霧野くん？」
「は、？！」
「わ、ごめん。驚かせちゃった？」
「い、いや大丈夫だ」
見蕩れていると彼女は俺の方を向いて声をかけた。
正直情けない声を出して恥ずかしいと思ったし、何でもない顔をしてみるがバレているだろう。
「なんで、俺の名前を…？」
「だって霧野くん有名だから。それに、気になってたんだ。」
綺麗な、髪の毛だなって。
俺はこの時隠しきれなかっただろう。
赤い顔を、潤んだ目を、この動揺を。
そしてこの胸の高鳴りを。
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きんぐ(プロフ) - うたうさん» いえ笑。好きなものには節操なく、ですから笑 (2015年9月5日 13時) (
レス) id: 5cf3a6c2ac (このIDを非表示/違反報告)
うたう - サクサク進むなんて凄すぎです！！(゜ロ゜ノ)ノ (2015年9月5日 13時) (レス) id: 7c4a6d391b (このIDを非表示/違反報告)
きんぐ(プロフ) - うたうさん» コメントありがとうございます。思ったより書くのが楽しく、意外にサクサク進められています。これからもご愛読、お願いします！ (2015年9月5日 13時) (レス) id: 5cf3a6c2ac (このIDを非表示/違反報告)
うたう - 超面白い!!!((o(^∇^)o))これからも頑張ってくださいね( v^-゜)♪ (2015年9月5日 12時) (レス) id: 7c4a6d391b (このIDを非表示/違反報告)
きんぐ(プロフ) - 亜依斗(*・ω・)ノ☆AITOだお☆さん» コメント有難うございます！これからもちまちまとですが、更新していきます。 (2015年9月3日 22時) (レス) id: 5cf3a6c2ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きんぐ | 作成日時：2013年10月19日 12時
