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上機嫌のまま私も給湯室を出ると、エレベーターから降りてきた岩本さんとかち合った。
『わ!岩本さんお疲れ様です』
岩「おつかれ、ちょうどよかった。今から行こうと思ってたんだけど、」
『私…ですか?』
岩「うん、あのさ、」
内緒話をするように大きな身体をかがめて、ぐっと距離が近づく。
『はぃ…?!』
岩「昨日の…ちょっと心配だから。今日送ってってもいい?」
『ぇ…そんな!』
岩「あ、嫌だったら無理にとは言わないんだけど…」
しゅんとした顔をして離れていく岩本さんを見て、咄嗟にスーツの袖を掴んでしまった。
『申し訳ないですけど…嬉しいです。お願いしてもいいですか?』
岩「いいの?じゃあ…一緒に帰ろっか。下で待ってるね」
目尻を下げてにっこり笑うと、軽く手を振って営業部に入っていった。
『無理……すきすぎ……』
そして私はまた給湯室に逆戻りするのだった。
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めーちゃん(プロフ) - キュンキュンしました!続きも楽しみです! (2022年6月14日 8時) (レス) @page11 id: 7a7a55d0e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さな | 作成日時:2022年6月6日 18時