destiny life (ページ36)

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「で、ハンビン。相手誰だったんだよ」

ほっそい目を更に細めてにやけながらバビヒョンが聞いてくる。ほかの人も同じような顔で。

きっとAも今頃こんな感じで質問攻めに受けてんのかな

「Aだったよ」

JN「Aってあの…防弾少年団の？」

YH「ええー！最近人気だよね！可愛いよねー！」

JH「そうかなー？俺はそんな思わないけど」

「ジュネはまだあいつの魅力に気づいてないんだよ」

DH「うわー！ハンビニヒョンがにやけてる！！」

CW「いいなあー！僕にもウギョル来ないかなあ」

にやける奴らを他所に部屋に入る。緊張で強ばっていた体をベッドに預けた。

ウギョルのオファーを受けた時、他のメンバーはいなくて俺とマネヒョン、それからウギョルのプロデューサーの３人だった。だからこの事実は誰も知らない。
…あ、バビヒョンには言ったかも

「…ハンビンさん、ウギョルはどうしても出てくれませんか？」

「出てみろよ、お前にも良い経験だろ？」

マネヒョンとプロデューサーに勧められるが、どうしてもそんな番組には出たくなかった。馬鹿らしい、そう思ってしまう

「もしハンビンさんが一緒に出たい方などいらっしゃれば、その方をキャスティングしますよ！」

一緒に出たい人なんて、そんなの…

" ハンビン！！ "

そう呼ぶあいつの声が脳裏に響いた。目の前にはウギョルの事前アンケート用紙。そこには " 一緒にウギョルをしたいお相手のお名前を御記入下さい " と書かれた所があった。他にも、恋愛経験とか、今彼女はいるのか、とか。

ペンを手に取り、恋愛経験、彼女の有無のところには全て" なし " と記入。最後の質問のところで手が止まる。

Aとなら、一緒に出ても楽しめるかもしれない。というか、自分の中の選択肢にあいつしかいなかった。

「…お願いします」

Aの名前を記入し、プロデューサーさんに渡す。

プロデューサーさんは少し驚いているようだったが、すぐに笑顔になり「必ずハンビンさんの希望が通るようにします！」と答えた。

「なんだハンビン、お前誰か一緒にやりたい人いたのか？」

「ヒョンには内緒！」

それから3週間後、まさか本当にAとウギョルが出来るようになるなんて。
携帯に登録されたAの名前に少しときめいてしまう。練習生になってから、いやそれよりも前からこんな感情忘れてしまっていたから。

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