destiny life (ページ33)

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まだかなあ。

「あの…………」

ふぅ、とひとつ息をついた時に後ろから聞こえる声。思わず振り向くと、そこには思わぬ人が立っていた

「……ほんとにAかよ」

『えっ………ハンビン！？なんで、、！？』

びっくりして開いた口が塞がらない、というのは正にこういう事か。口閉じろよ、と言いながらハンビンは落ち着いた様子で前の椅子に座った

『えええ…………びっくり、ハンビンだったんだ、相手』

「なんだよ…俺じゃ嫌だったか」

『違う違う！！知ってる人だからすごい安心してる！今！！』

「あっそ。なら良かった」

ふ、と口角をくいっと上げる笑い方はハンビンらしく、漢江で会った日を思い出した

「年末の授賞式以来か？俺ら」

『そうだねー、久しぶりな感じがする』

年末は授賞式や歌番組で少し会ったけど忙しくて挨拶程度で、そこからもカムバックで忙しく今は5月を越えた頃だった。

「……もしかしたら、聞いてるかもしんねえけど」

少し言葉に詰まりながらハンビンが口を開ける。カフェには私達だけで、ほんとに2人きりの空間のようだった

「俺、ウギョルするなら相手はお前が良かったんだよ」

" 相手役の理想がAらしい "

マネおっぱが話していた言葉を思い出した。少し恥ずかしくなって目を逸らそうと思ったけど真剣な表情のハンビンから目を逸らせなかった

「お前じゃなかったら断ろうと思ってたし…」

『……なんで、私？』

本当に素朴な疑問だった。ハンビンはiKONでも人気だし、他にもたくさん可愛いアイドルや女優さんだっているのに。

「…お前は気づいてないかもしんないけど、すげえ…魅力あんだよ、あんま言わせんな」

ぶっきらぼうにそう話すハンビンの耳は赤くなっていて、本当にそう思ってくれているんだと思い私も思わず照れくさくなってしまった

『ハンビン……これから、よろしくお願いします』

ぺこっ、と頭を下げるとその頭をぽんぽんと撫でながらおう、と答える声が聞こえた

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