天使の嘲笑2【rbr】

また会えたらその時は ページ8

「私の事ずっと知ってたんだ…」
「え？何？」
「知ってて声掛けたんだ、嘘でしょ」
「え？ごめん何？」
「あれ、ちがう？」
「いや、僕やけども」

やっぱり。すっとぼけやがって。
にやにやしてんの隠せてなかった。

実は会ってたんだ、なんでそんな時間経ってからまた。
何より覚えてたのが、衝撃。


「そうだ、それ何回もやって友達できなくて」
「学習せぇやおバカ」
「それで2年の時初めて友達ができた」
「それがあのお方か」
「そう、あのお方」

全然言ってないけど、本当はブロック解いてる。
働き詰めで血迷ったことにして、連絡を期待してる。

至極当然、あのお方からのメッセージは無いし、来たところでどうするということもないが。


「あー、絶対言わんといたろ思うとってんけどな」
「何を」
「似たもの同士が」
「なに！」
「アイツ本で成功したらお前んとこ来るつもりやで」

まさか。
どうやって。

連絡もなしに突然家に来た暁には、嬉しいやら戸惑いやらで警察呼んじゃうかもしれない。

「やからたまにその辺散歩したって、ウロウロしてるチビおるかも知らん」

第一なんで来るんだろう。
謝りに来るのかな、1杯行こうやとか言われんのかな、好きだって言われたら私また同じこと言う。
事実だし。

愛してるって言われたら？
どうもありがとう！また会う日まで！ってドア閉めちゃうな、きっと。


私どうやってもロボロを振り切れないくせに。


「ほなね」
「日帰りか、忙しいね」
「期待の新人もなかなか大変やねんな」
「わかるよ、すごく」

あのお方は私たち以上に頭を悩ませてるのか。
物語書いてんだもんね、きっと大変。


やっぱり大分会いたい。
会えるかな。

会えたらその時は、なんて言おう。

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