天使の嘲笑2【rbr】

好意は時として ページ20

涙をぽろぽろ流したまま、顔を上げる。

「A、好きや」

そして信じられないほど真面目な目をして言った。



「もう1回チャンスが欲しい」
「…私のこともう遊ばないでよ」
「遊んでへん初めから」
「楽しい？」
「苦しいわ」

本気みたいな顔してる。
本当のこと言ってるみたいな。


「お前のせいで俺は…」
「…ロボロのせいだ」
「なあ、愛し方が分からんのよ」
「私が知るわけない」
「お前と同じくらい苦しみたい」
「それは愛じゃないから」
「ごめん」

何の、ごめんなんだ。
もう戻れはしないのか？

友達でいる時は苦しかった。
でも恋人になったらもっともっと苦しくて。

友達に戻ったって、日に日に頭がおかしくなっていく。

「ロボロはね、全部勘違いしてるよ」

放った言葉に、軽く目を見開いた。

「ああ、せやな、よう考えたらお前のことそんな大切ちゃうわ」
「……」
「勘違いやったよ、帰るわ」

そんな泣きそうな顔して言われたって変わらないのに。
1人になったこの部屋は思ってた以上になんもない。色がない。

私は、まちがってた？



次の日からロボロは、私の生活に干渉してくるけど、大切にはしなくなった。

初めから大切にしていたかと言われたらそうじゃないかもしれないけど、突き放す時はとことん、突き放す。

面倒臭くなったならさっさとどっか行けばいいのに。


「コネシマ待っとんで」
「呼び捨てはダメ」
「彼氏待っとんで」
「違うから」

少し距離の遠い生活は、つづいた。
だんだん家に来なくなる。

私だった仕事で家に帰れないときもあるし。
部屋の隅に埃が溜まってく。

どうあがいたって私たちは付かず離れずで、完全に絶てるならその方がいいのに。


この変な距離感が、おもしろくない。

どこかのタイミングでロボロを受け入れたら変わってたのだろうか。

消えちゃえ→←動機は愛

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