動機は愛 ページ19
ロボロはそこで突っ立ったまま動かない。
「そんなこと言わんといてね」
優しく言うから、多分気を使ってくれてる。
辛そうな顔をしてるのは私が拒んだから？
「ロボロに会えて良かったんだよ」
「目ぇ擦ったらあかんよ、腫れる」
「だめなのは私の方だった」
「寝癖ついとるよ、前髪」
本当に本当に、素敵な出会いだった。
悲しみがついて回るのは私のせい。
幸せだった時なんてほんのひと握りなのに、お別れが来るのをわかってるからずっと辛かったのに、嘘ついてまで一緒にいる。
でも私がいるせいであなたが居なくならないように、何か一つでも奪ってしまわないように、今度こそ私は確かに彼を嫌うんだ。
「ずっと探してた、会えてそれで良かった、もういい」
「何がもうええの」
「もう私にあなたは必要ないよ」
「………」
「私がどうなろうともう気にしないで」
ロボロは、私の目をじっと見つめた。
それからその場で、崩れ落ちた。
「嫌や…」
「…」
「もうちょっとだけ、まだ必要としてくれ」
「ロボロ」
懇願するように泣いたロボロは、私に触れない。
可哀想なように見えて、放つ狂気を見逃さない。
何が嘘で何が本音なのか、いくら一緒にいても分かりやしないのだ。
「もう会ったのを、なかったことに出来ひん」
「私、」
「殺したい」
「…え？」
耳を疑う。これはさすがに予想外で、たじろいでしまう。
どす黒いものを孕んだ視線が突き刺さる。
「どっかでAが消えてまうくらいなら俺が、俺のAにしたい」
「待って、待ってよ、どういうこと」
「俺の人生も変になった」
「…頭、おかしいんじゃないの」
本気で頼んでくるロボロの顔は感情が読み取れない。
いつもこうやって相手のペースに乗せられてしまう。
心底そういう自分が嫌だったのに。
もう少しお互いマトモだったら、もう少し優しければ。
そもそも相性が悪いんだよ、私たち。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 98人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さかなしょこじゅん - 葵斗さん» ありがとうございます！！！！！とても嬉しいです、これからもちまちまとお話書くのでまたどこかでお会いしましょう！！！微妙に病的な表現が伝わったようでなによりです！！！！！！ (3月2日 15時) (
レス) id: 2941b15b39 (このIDを非表示/違反報告)
葵斗 - うおおおおおおお!!!完走おめでとうございます！執筆は終わってしまいましたが、これからもふとした時に読ませていただきますのでどうぞよろしくお願いします!!<(_ _)>いやーrbrがいい感じに狂っているのがいいですねぇ！ (2月24日 18時) (レス) id: 6f83c28ab3 (このIDを非表示/違反報告)
さかなしょこじゅん - ゆずごろもさん» ゆずごろもさんありがとうございます！！よかったーー！！！本当に、時間がかかってしまった…！笑 ゆずごろもさんのご期待に添えられたようで本当に安心しております…！！ありがとうございます！！ (12月18日 8時) (レス) id: 2941b15b39 (このIDを非表示/違反報告)
さかなしょこじゅん - でんぱぱんさん» ワぁ嬉しいです！！！滅相もございません。ワタシも精進して参ります、共に頑張りましょう、応援しております！！！ (12月18日 8時) (レス) id: 2941b15b39 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずごろも(プロフ) - うわああ！語彙力が低下します！私が求めていた最高級のハッピーエンドでした！大好物でもう今テンションマックスです！ありがとうございます！やっとさ素直になったかいな！っていう親目線を味わいながらしみじみとそしてニマニマと笑 ええはっきり言って最高でした！ (12月18日 2時) (レス) @page34 id: b79b00a0df (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さかなしょこじゅん | 作成日時：2023年10月26日 0時
