天使の嘲笑2【rbr】

労い ページ17

許された休日を布団の中で腐って過ごすのは、学生時代から変わっていない。

時たま携帯をいじって昼まで寝る。


「ありゃ」

…12時をすぎたけど、やっぱりもう少し寝る。

ふわふわ眠くなってきた時、狙ったようにインターホンが鳴る。スルーしたい気持ちでいっぱいだ。


「はぁ〜い…」

どうせロボロだから無視しようと思ったけど、私の家を知っているのは他にコネシマ先輩がいるわけで、先輩の訪問をシカトするのはマズいと思ったのでよろめきながら立ち上がった。


「ロボロじゃん…」
「何か文句でも？」
「……」
「はあ！？待てや！」

両手でドアを閉めようとしてるのに、片手でいとも容易くこじ開けられる。鍛えてるのか何だか知らんが、ロボロは力が強い。


「寝てたやろ」
「折角の休みだし、まあ」
「折角の休みだからこそ動け…とも言えんな、お疲れさん」

それから当たり前のようにズカズカ家に上がってくる。テンション下がったらヘラヘラの癖に、元気な時は本当、元気。


「家空けてんのと変わらんやろ？休んでてええよ」
「ロボロ、仕事は」
「昨日終わらせてん」

語尾にキラキラマークが付きそうなほどのドヤ顔が少し可愛かったので、素直に感謝して布団に潜った。


「可哀想やな、社畜と変わらんやろ」
「ロボロも大変でしょ」
「まあな？それなりにうまくいっとるよ、でも」
「よかったね」


死にたくなるまで根詰めなければ大丈夫だと思っていたけど、ロボロの顔を見てたら弱味が溢れそうで。
台所で何かがちゃがちゃやったあと、私の元にとことこ小走りでやって来る。

「かなりヤバそうやったし、軽くな」
「何？」
「ちょいお洒落なインスタントラーメン」
「いいね」


介護されてる気分だ。
病気にかかって看病してもらった時を思い出す。

繰り返す気がしている。
今度は沖縄にでも逃げようか。なんて。


崩れる時は一瞬だったりする。

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