思い出 ページ2
卒業式が終わって、いよいよもうこの地とはお別れだ。
記憶の中で遠ざかっていくロボロの姿が少し滲んだ。
「会いに行くからな」
「来れるものなら」
鬱さんは私に言った。
優しく微笑む鬱さんは綺麗だ。
私、あなたのこと、人として大好きだったよ。
そんな想いを込めて、微笑み返した。
私の向かう北海道はここからじゃ遠くて、飛行機を使って飛んで行く。
空港に駆けつけてくれたしおりちゃんと、シャオロンと、鬱さんと、それから。
「行くって聞かなかったの、コイツ」
「わざわざありがとう」
卒業式の前日ぶりのロボロ。
あんなにあっけない終わりじゃ、ロボロも納得いかなかったんだな。
「ほんまに行くんやなあ」
「うん」
「立派になって嬉しいわ」
「ロボロも背伸びたんじゃない？」
「ほんま！」
少しだけ笑いあって、時間が来て、もう行かなきゃって時。
ロボロが私の手を握った。
「A」
「なに？」
「愛してるよ」
ああ。
なんて酷い奴なんだろう。
ずっとずっと聞きたかった言葉を、ロボロは知っていたんだね。
知っていたから、今の今まで言わなかったんだね。
涙がぽろぽろ、私の視界を邪魔して流れる。
もう滅多に表情を崩さなくなったロボロだって泣いてる。
ロボロにとって私って、ちゃんと大切だったんだ。
今いちばん愛されてるのは私じゃなくても。
「私も、愛してるよ」
辛いなあ。
こんな展開、望んじゃいなかった。
でも、綺麗な終わり方。
私が遠くへ行って、ユイさんでも誰でも、ほんとに愛せる人を見つけて。
そして、幸せになって、色んなことがあって、昔のこと思い出せないくらいになって。
それでもいい。
過去の人でもいいから、私。
「わすれないでね」
反対方向へ、歩き出した。
私だってそう。
ロボロのこと、思い出したら思い切り、目の前の壁を睨める気がするんだ。
だから、忘れないよ。
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さかなしょこじゅん - 葵斗さん» ありがとうございます！！！！！とても嬉しいです、これからもちまちまとお話書くのでまたどこかでお会いしましょう！！！微妙に病的な表現が伝わったようでなによりです！！！！！！ (3月2日 15時) (
レス) id: 2941b15b39 (このIDを非表示/違反報告)
葵斗 - うおおおおおおお!!!完走おめでとうございます！執筆は終わってしまいましたが、これからもふとした時に読ませていただきますのでどうぞよろしくお願いします!!<(_ _)>いやーrbrがいい感じに狂っているのがいいですねぇ！ (2月24日 18時) (レス) id: 6f83c28ab3 (このIDを非表示/違反報告)
さかなしょこじゅん - ゆずごろもさん» ゆずごろもさんありがとうございます！！よかったーー！！！本当に、時間がかかってしまった…！笑 ゆずごろもさんのご期待に添えられたようで本当に安心しております…！！ありがとうございます！！ (12月18日 8時) (レス) id: 2941b15b39 (このIDを非表示/違反報告)
さかなしょこじゅん - でんぱぱんさん» ワぁ嬉しいです！！！滅相もございません。ワタシも精進して参ります、共に頑張りましょう、応援しております！！！ (12月18日 8時) (レス) id: 2941b15b39 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずごろも(プロフ) - うわああ！語彙力が低下します！私が求めていた最高級のハッピーエンドでした！大好物でもう今テンションマックスです！ありがとうございます！やっとさ素直になったかいな！っていう親目線を味わいながらしみじみとそしてニマニマと笑 ええはっきり言って最高でした！ (12月18日 2時) (レス) @page34 id: b79b00a0df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さかなしょこじゅん | 作成日時：2023年10月26日 0時
