恋愛論 ページ13
「帰って」
「は？」
「癪に障った。帰れ」
頭に来た。
無性に。私の恋心を弄んでそんな最低なことを言えるロボロに心底腹が立つ。
何より、そんなロボロに一瞬揺らいだ私が1番頭に来た。
怒り慣れない私の声は小さく震えていて、ロボロが怯むわけがないし、寧ろ笑っている。
「ふーん、かっこええやん」
「馬鹿にしないでよ」
「馬鹿やろ、実際」
ねえ、なんでこういう話になるとあなたが出てくるの。
あなた、ロボロじゃない。
どっちが本当の君なの。
「ええの？最後のチャンスやで」
「みんなに言いつけるよ」
「出来ひんこと自信満々に言うな」
ピキってる私を前にロボロは涼しい顔で見下す。
根から狂ってる。ねえ、私じゃ助けてやれない。
「帰って、お願い」
「お前、ほんまに変わっとるな」
「冷めた。顔も見たくない」
嘘。真っ赤な嘘。
こうでも言わなきゃ心、壊れる。
淡々と真実を述べるロボロと、嘘つきの私は、どっちがただしーの。
「腹立つなあ」
「…こっちのセリフ！」
「もっと縋れや、俺のこと愛しとらんの？」
愛してねーよ。
私のはただの恋心だよ、もう友達としても愛せない。
「つまらん、あー、おもんない全然」
「…」
「俺のこと好き好きー、って、口だけなん？」
「口だけじゃないから断ってんだよバカ」
「じゃあもっと、あいして…」
私とロボロ、同じくらいのタイミングで涙が溢れた。
なんだよ、なんで泣いてるの。
頼りないの？私。
「結局、誰も心から、愛してるって、言わへん」
「…」
「A、愛してる」
「ふざけないで」
急に弱っちくなってさ。
あからさまに上っ面だけのうっすいその愛の告白に一体誰が揺らぐんだよ。
ねえ、なんでそんな本気みたいな目で見んの。
「ロボロは私を、愛してない」
「あいしてる…」
「なんか勘違いしてるよ、それ愛じゃないよ」
「じゃあなんなんこれ…」
「ただの支配欲」
私、もう傷付きたくない。弱いから。
さよなら。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 57人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さかなしょこじゅん - 田中さん» 田中さんがたの言葉をモチベーションに更新しております…！！！！喜んでいただけて幸いMAXです！！！ありがとうございます; ; (10月22日 19時) (
レス) id: 2941b15b39 (このIDを非表示/違反報告)
田中(プロフ) - 本当にこの作品の更新を心待ちにして人生生きてるので、こんなに頻繁に更新してくれて嬉しいです。これからも応援しております(；；) (10月22日 18時) (レス) @page29 id: d6054e066b (このIDを非表示/違反報告)
さかなしょこじゅん - まるさん» ワァァァイ！！さかなです！ううう嬉しいです、こんな自己満極乙なのをそんなふうに仰って下さるとはワタクシ、少々恥ずかしゅうございます。ありがとうございます！がんばります！ (10月18日 13時) (レス) id: 2941b15b39 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 地縛霊と社畜Aに続き、またまた良いお話を見つけたと思ったらさかな様でした。この独特でなんとも言えない拙い関係を示す文章が大好きです。更新、楽しみに待ってます! (10月18日 11時) (レス) @page22 id: dba6e6f19e (このIDを非表示/違反報告)
さかなしょこじゅん - 田中さん» 認知も何も！！田中さんにいつも励まされて頑張れます。感謝しております！！ワァァ、嬉しくて恥ずかしくて1周まわって泣きそう ありがとうございますー！！！！ (10月14日 19時) (レス) id: 2941b15b39 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さかなしょこじゅん | 作成日時：2023年9月30日 22時
