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捨てる勇気 ページ12

「どうぞ、上がって」
「ん、お邪魔しまーす」

案外綺麗やなぁって私の部屋を見回して足を踏み入れた。

表情は変わらない。

「なにしに来たの?」
「ん?いや。飯食わん?腹減ったわ」
「…」

もう考えを読むのは諦めた。
無駄だから。

適当に出来るもの作って、またロボロの言うことに身を任せよう。

「唐揚げ…」
「お。ええなあ」
「うん」

料理しながら、黙々と考える。
私まだロボロのこと好きだ。

私のこと振った時とは全然違って、テレビをじっと見ている。

かわいいなあって思う。

まだそんなこと思う、あんなこと言われても。
つくづくバカだ、こういう女がダメな奴に引っかかって抜け出せなくなるんでしょ。

「Aー」
「ん?」
「なんもなぁーい」
「なんだよー…あっつ」
「おお、大丈夫か〜?」

てくてく寄ってきて、私の手を覗き込んだ。
大丈夫だよ、って戻して唐揚げを運ぶ。

「美味そうやなー、やるやんけえ」
「ありがとう」
「いただきます〜」

美味しそうに唐揚げを頬張る姿はなんとも純粋。
ずっと見てたいなあ。


「…食べへんの?」
「あ、食べる」
「全部食うてまうで!!」

嬉しそうに笑って私の顔を見た。
元に戻そうとしてくれてるのかな。

全部関係を元に戻すために、私の家に来たのかもしれない。

そうだといいな、そっちの方がいい。

「ごちそうさまぁー、美味かった!」
「よかったです」
「ほんでさ、A」

私の目を見た。

「まだ俺のこと好きなん」
「…うん」
「抱いて欲しい?」
「え?」

優しい笑顔はすぐ、消えた。
幻想か。


「日曜の水族館の女はな、抱いて欲しい言うてたで」
「…」
「でも抱かんかった」

何言ってんの。

「Aが抱いて欲しいって言うたら抱いたるよ」
「…は?」

あの人より、高い位置に立てる。
そういうことだろうか。

バカにしてんのかな。
口を開いた。

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さかなしょこじゅん - 田中さん» 田中さんがたの言葉をモチベーションに更新しております…!!!!喜んでいただけて幸いMAXです!!!ありがとうございます; ; (10月22日 19時) (レス) id: 2941b15b39 (このIDを非表示/違反報告)
田中(プロフ) - 本当にこの作品の更新を心待ちにして人生生きてるので、こんなに頻繁に更新してくれて嬉しいです。これからも応援しております(;;) (10月22日 18時) (レス) @page29 id: d6054e066b (このIDを非表示/違反報告)
さかなしょこじゅん - まるさん» ワァァァイ!!さかなです!ううう嬉しいです、こんな自己満極乙なのをそんなふうに仰って下さるとはワタクシ、少々恥ずかしゅうございます。ありがとうございます!がんばります! (10月18日 13時) (レス) id: 2941b15b39 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 地縛霊と社畜Aに続き、またまた良いお話を見つけたと思ったらさかな様でした。この独特でなんとも言えない拙い関係を示す文章が大好きです。更新、楽しみに待ってます! (10月18日 11時) (レス) @page22 id: dba6e6f19e (このIDを非表示/違反報告)
さかなしょこじゅん - 田中さん» 認知も何も!!田中さんにいつも励まされて頑張れます。感謝しております!!ワァァ、嬉しくて恥ずかしくて1周まわって泣きそう ありがとうございますー!!!! (10月14日 19時) (レス) id: 2941b15b39 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さかなしょこじゅん | 作成日時:2023年9月30日 22時

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