天使の嘲笑【rbr】

私が死んだ時 ページ11

1日、ロボロのことが頭を回って疲れた。
ほんとに疲れた。

今朝のことは完全スルーで逃げるように校門を出た。


「A」
「…あ」
「待ってや」

ヤバい。
走って逃げるか？それはまずいか、でもどうしても一緒にいたくない。

振り返ったらてとてと走ってくるロボロがいて、ちょっとまだ私の未練が疼いた。

「先帰らんといてー言うたやあん」
「…やだよ」
「んー？はよ行こ」


確実にわざとやってる。
どこかバカにしてるような横顔。

「あ、今日家行ってええ？」
「え、嫌…」
「あかんの？」

冷え切った目で、見つめられる。
蘇るのは昨日の記憶。

怒られる。嫌われる。そう考えたら怖くて、仕方なくて、気分が悪くなった。


「いい、よ」
「ん、ありがとうねー」

逆らえない。
どうやったってもう、支配下だ。

絶対嫌なのに、1番嫌いなのに、本気で嫌われるのが怖い。

気持ち悪いって、言わないで。
見捨てないで欲しい。もっと優しい目で私を見てよ。


「どしたん？」
「や…」
「なぁんよ、どしたんもぉ〜」

違う。その顔じゃ、ない。

「なんでもないよ」
「ん、なんかあったら言うんやで」
「わかった」

全部ロボロの思惑通りなのかもしれない。
どう足掻いたって私は解放されない。

考えすぎかもしれない。
私が勝手に思い描いた理想の恋と常識がずれていただけかもしれない。

本気で何も分からない。じゃあ、教えてくれるのは誰なのか。


「まっすぐ歩きや、どした」
「…ごめん」

ロボロだ。

私が全てを知った時。
それは、本当の私が死ぬ時。

全部、なくなる時。

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