推しが生きててくれればいいんです【HUNTER✕HUNTER】

10:ウソつき ページ10

「見ろ、出口だ！！」

「ふう、ようやくうす暗い地下からおさらばだ」

「レオリオ、あと少しだ」「ゼー、ハー……おう!!」


それぞれの顔は違えど、ようやく外へ出れることへの喜びは同じようだ。

Aも他の受験者に混じり地上に着く。
やっと終わったと一つ息を吐き出していると、サトツさんからの説明が始まった。

ヌメーレ湿原
通称"詐欺師の塒(ねぐら)"

詐欺師か、確かに詐欺師(アイツ)にとっては動きやすい場だろう。
今年の受験者を少し気の毒に思う、せめて来年ならﾀﾋなずにすんだろうに。


ｻﾄﾂ「十分注意してついて来て下さい。騙されると、ﾀﾋにますよ」


ヌメーレ湿原への扉が無情にも閉じられ、再び忠告が告げられる。

ｻﾄﾂ「騙されることのないよう、注意深く。しっかりと私のあとをついて来て下さい」

やっぱり優しいな。
いや、試験にわざわざココを選んでるわけだから鬼畜とも言えるか。
じゃあ親切の方が正しいか。て、そんな事はどうでもいいんだった。


さて、始まるぞ。

「ウソだ!!ソイツはウソをついている!」「！？」


詐欺師の演劇ショーだ。


「ソイツは偽者だ!!試験官じゃない」

体中に傷を負った男が扉の影から出てくると、デカい声で話を始めた。


彼が言うには、先ほど先頭を走っていたサトツさんは試験官ではなく
ヌメーレ湿原に生息する人肉を好む人面猿で、ハンター試験に集った受験生を一網打尽にする気。
なんだそう。

ご丁寧にその、人面猿まで添えて。

普通に考えておかしい所しかないこの試験官(仮)さん。
でも、まあ信じちまう子は信じちまうんだよな…。

―ﾋｭｯ―

鋭い音が耳に届くと同時に、試験官(仮)の顔に3枚のトランプが刺さると
試験(仮)は小さく断末魔を上げ、そのまま後ろへと倒れた。

対してサトツさんは、4枚のトランプを見事に受け取っていた。


ﾋｿｶ「くっく♤なるほど、なるほど♧」


『…』

何がなるほどだ。

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