推しが生きててくれればいいんです【HUNTER✕HUNTER】

8:ススム×リユウ ページ8

試験開始から6時間。
脱落者が出始める頃だ。


ゴンはレオリオなら必ず走り切ると確信し、キルアと2人、速度を上げ前へと行った。

Aはというと依然、最後尾を走り続けていた。
もちろん、体力が無いだとかそういうのではない。


若い芽が摘まれるのは惜しい。

ハンターは誰がなったって良い。
何回だってトライして良い。
諦めない心が、ハンターへのスタート地点だ。


諦めない奴が勝ちなんだ。


そう教わった。だから


『こんな所でヘコたれるな』

『ココで終わりか?一歩も踏み出せずに終わるつもりか?』


この、声は……。

【突如現れた千の歌声を持つ新星】

そう大第的に取り上げられた記事。
しかしながら、その人物の素性を知る者はいない。
本名はおろか、性別すら判っていないのである。

全世界で高い評価を得、何もしなくとも一生遊んでいける金を持っていると言われながら
初期と変わらず路上ライブを続ける変わり者。


そんな人物が、なんで、こんな所に…。

『そう落ち込むことはない。あいつ等はああ言ったが新人(ルーキー)にしちゃ、いいセン行ってるんだぜ、君。
ただ、ここで辞めれば、それこそ落ちこぼれの落伍者だ。落第生で終わりたくなければ、また来ることだ』

『…ハンター協会はいつでも君を待つ。また来い』


これから一生負け犬のレッテルを貼りながら、這いつくばっていくのだと思っていた。
もう立ち上がることは出来ないと思い込んだ少年に
『また来い』Aはそう言い切った。

二度と来ないと、この場を、景色を思い出すたびに消えたくなる思いを抱え続け、逃げるのだと
そう心の奥で湧いたモノを、踏み潰すように力強く放たれた言葉。


『またな!』


また会いたい。
去っていく背に、声は出ずとも少年の瞳には新たな火が宿っていた。
オレが落第生?脱落者？負け犬？そんなの知ったことか。必ず"また"アナタに……



ハンター第一次試験
80km通過
脱落者1名＿＿＿＿＿

9:そうかな→←7:中間地点

ラッキーアイテム

ジンのハンターライセンス

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