言葉2 ページ2
『あ…』
今日もか…
目の前には、悪口が書かれた靴
周りから、クスクスと笑い声が聞こえる
耳を塞ぎたい、でも、これくらいで折れると話にならない
仕方なく、その靴を履いて教室へ向かう
すれちがう人たちは所詮靴なんかに興味がなく、通り過ぎていくだけ
楽しそうに、笑いながら
『……』
ガラッと立て付けの悪い扉を開ける
相変わらずギシギシと音をたてている
「……ぁ」
一人の生徒が私の足元を見た
名前…何だっけ…
興味ないから覚えてないけど、名簿一番だったと思う
白髪…赤い瞳……
人形みたいだな…
そう思いながら、彼の横を通り過ぎる
通り過ぎた時に見えた彼の腕には、真っ白な肌に対称的な、古い傷が黒々と主張していた
虐めか、虐待か、体罰か
痛そう、そうは思ったけど特に関わる気もなかった
席に座ると案の定机の中の手紙が目に入る
封を切ると
ーーーーー
昼、屋上
ーーーーー
と、必要最低限の情報しか書いていない文が…いや、果たしてこれは文章なのか
送り主は天宮翔太、私の双子の弟
シスコン代表と言っていいほどのシスコン
私とは違い、陽キャで友達もたくさんいる
確かさっきの人と仲良かったはず…
まあいいや、とりあえず準備しよ
28人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ