その言葉は誰ガ為? ページ8
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「……………大先生、待って」
ut「……え?」
ふと、後ろから声が聞こえた。
聞き慣れた声が。
俺は、目を丸くしてそちらに振り向く。
そこにいたのは……………
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tn side
どうすればいいのだろう。
今なら、ゾムを医務室に連れて行ったら助かるだろうか。
でも、あんな状態の大先生を放置したらどうなるか分からない。
tn「……………今……俺に…」
何が出来る…?
…だって、ここで俺がなんとかしないと……………また、続いてしまう……
言わば、負のスパイラル。
俺達はもう、その足枷にはまっていたんだ。
決められた道から外れることを許さず、全員が同じように後悔の海に溺れ、全員が同じようにこの城から消えてゆく。
………俺は?俺も消えようとしたか?
いや、俺はただこの部屋でひたすら無駄に、エゴを並べていただけ。
ほんと、自分のことながら、薄情な奴だと思う。
悲しみに暮れ、そいつとの思い出を思い返しながら涙を流している訳でもない。
自身の口から、乾いた笑いが漏れる。
一緒に瞳からも水滴を零していたら、まだ良かったのだろう。
……今まで、大天使やらなんやら言われてきたが
tn「一番、皆のこと考えてへんの………俺だったん、よな」
今更気付くとか、ほんま屑過ぎひん?
今だって、自分のことしか考えてない。
ごめんな、こんな俺で。
もう、彼等には要らないだろう。こんな奴。
俺は無言で、水色に光る物が立て掛けられている方へ向かう。
こんなのだって、ただの俺の自己満足に過ぎない。
それは分かっている。
でも、このままでいる方が俺は耐えられない。
…ゾム、大先生、ごめんな、最後まで放置して。
ゾム、俺がそっち行ったら、少しぐらいは食害受けてやるから、怒らんといてな。
大先生、いつも追いかけ回してすまん。あっちの世界に行ったら、もう俺に怯えんで済むからな。
tn「…じゃ、粛正剣、最後の一仕事頼むわ」
首元に水色の刃を少しずつ当てると、たらり、たらり、と紅い雫が落ちていく。
今まで俺は、この剣で何回皆に傷を付けてきたんだろう。
軍にとっても、皆にとっても、損害でしかないのに…よく許してくれたよな。
俺は、ゆっくり息を吐き、瞳を閉じて、
……自身の首を斬った。
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らっぴょこさん(プロフ) - あ、好き。ヤバイ。神。(←語彙力消失)応援してます〜! (2020年10月4日 14時) (レス) id: c590781f3e (このIDを非表示/違反報告)
桜石 花見(プロフ) - ひなひなひなひなさん» ありがとうございます!!!返信が大変送れてしまい、申し訳ありません………未だこの小説を覚えていてくださるのでしたら、応援していただけると嬉しいです……! (2020年9月18日 5時) (レス) id: 9ba6cca84f (このIDを非表示/違反報告)
ひなひなひなひな - ↓追記がんばって下さい! (2020年5月25日 16時) (レス) id: 2e0228b2c8 (このIDを非表示/違反報告)
ひなひなひなひな - 桜石 花見さん» ああああ好きいい!もう,,うん()もう更新全裸待機します! (2020年5月25日 16時) (レス) id: 2e0228b2c8 (このIDを非表示/違反報告)
桜石 花見(プロフ) - すややさん» プロローグが割とほのぼのしてるので……… ( 今気付いたけど(( ) ありがとうございます!!オチは決まっているのですが、中間の描写諸々が……… (ただの言い訳) (2020年5月17日 23時) (レス) id: 8e99c8eed5 (このIDを非表示/違反報告)
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