五人目の自白 ページ6
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ut「ゾムさん? 大丈夫か…?」
zm「…………」
大先生の問い掛けにも何一つ反応せず、ゾムは静かに近くの椅子に座る。
まるで、その目の前のもの以外何も見えていないかのように。
zm「……えっと…あ、あんな…俺……ッ俺な…」
tn「ほら、落ち着き。ゆっくり聞いたるから」
と、浅く呼吸を繰り返すゾムの背中をそっと撫でながら、出来るだけ優しい声で話した。
彼は素直だ。
落ち着くように指示すれば、何とかして自分を安定させる。
zm「…う…ん…………」
・
・
彼は、嗚咽混じりの声で、どうにか自分の話せる表現を使って、俺達に教えてくれた。
シッマのこと、シャオロンのこと、ひとらんのこと。
そして、
zm「…」
ショッピくんのこと。
…無論、悪意が無い事は承知済だ。
受け入れたくは無い話、なのだが。
tn「大体分かったわ。…ありがとな、そんな中俺らに話してくれて」
ut「…よう頑張ったな。」
ゾムは、黄緑色の瞳を血色のように濁らせて涙を溢しながら話す。
大先生は、いつものようなへらりとした笑みを浮かべながらも、瞳のハイライトは全て消えている。
もしかしたら俺も、端から見たら酷い事になっているのかもしれない。
zm「……トントン、大先生、ありがとう。それじゃ…」
若干足元がおぼつかないながらも、ゾムはゆっくりと転ける事無く立ち上がる。
ut「どこ行くん…?」
zm「…………」
zm「ずっと、ここおるんも…悪いやろ」
振り返ることをせず静かに発された言葉も、問いの答えにはなっていない。
俺は、止めるべきなのだろうか。
zm「……またな」
と、だけ言い残し、彼は扉の外へと向かった。
その直後、何か大きな物が倒されたような音が、どさりと耳に届く。
tn「何の音や…?」
なんだか嫌な予感がして、急いで扉を開けば、
zm「…………」
tn「ッゾム…!?」
紅く染まりきった黄緑色が、右手に血塗れのナイフを残し、倒れていた。
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らっぴょこさん(プロフ) - あ、好き。ヤバイ。神。(←語彙力消失)応援してます〜! (2020年10月4日 14時) (レス) id: c590781f3e (このIDを非表示/違反報告)
桜石 花見(プロフ) - ひなひなひなひなさん» ありがとうございます!!!返信が大変送れてしまい、申し訳ありません………未だこの小説を覚えていてくださるのでしたら、応援していただけると嬉しいです……! (2020年9月18日 5時) (レス) id: 9ba6cca84f (このIDを非表示/違反報告)
ひなひなひなひな - ↓追記がんばって下さい! (2020年5月25日 16時) (レス) id: 2e0228b2c8 (このIDを非表示/違反報告)
ひなひなひなひな - 桜石 花見さん» ああああ好きいい!もう,,うん()もう更新全裸待機します! (2020年5月25日 16時) (レス) id: 2e0228b2c8 (このIDを非表示/違反報告)
桜石 花見(プロフ) - すややさん» プロローグが割とほのぼのしてるので……… ( 今気付いたけど(( ) ありがとうございます!!オチは決まっているのですが、中間の描写諸々が……… (ただの言い訳) (2020年5月17日 23時) (レス) id: 8e99c8eed5 (このIDを非表示/違反報告)
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