1日目 ページ2
「万次郎。お風呂沸かして来るから、適当にくつろいでて。
はいこれタオル。」
私は万次郎にタオルを渡し、風呂を沸かす。
ピーと機械音がなりお湯が出てくるのを確認して、万次郎の元へ戻る。
彼は私がタオルを渡した場所から微動だにせず、ぼんやりと立っているだけだった。
雨で濡れた髪はそのままで肩がビショビショになっていた。
「なにやってんの。風邪ひくよ。
ダメでしょ。もっと自分の身体大事にして。」
私は万次郎が握りしめているタオルとは別のタオルで彼の頭を拭いた。彼の真っ黒な瞳には私が映っていた。
「……俺を名前呼びするやつ久しぶりに見た。」
少し掠れた声で万次郎は呟いた。
私はにっと笑い、少し濡れている彼の頭をワシワシと撫でる。
「マイキーばっかだと疲れるでしょ。
ほらお風呂入ってきな。私ご飯作っとくから。」
あいにく明日の仕事は休みで、ちょっと変わった再会だったが、久しぶりに会えたのが嬉しいので手によりをかけて万次郎の好きだったお子様ランチをイメージして作ろうと思う。
私は具材を取り出し、手際よく調理していく。
なんとか万次郎がお風呂があがる前に完成することが出来た。
着替えは弟の服を渡したので大丈夫だろう。
しばらくして万次郎がお風呂からあがった。
彼を椅子に座らせ、私が料理を持っていく。
「じゃーん。お子様ランチ風プレートです。
なんと、旗もあります。」
万次郎の正面に座り、彼がおもむろにスプーンで掬って食べるのを見る。1口、1口と食べ進めていく彼は
いつの間にか涙が頬につたっていた。
表情は変わらないが、感情が戻ってくるようなそんな感覚だった。
「おいしい？」
「……うん。」
万次郎は食べている間ずっとホロホロと涙を零していた。
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雪ん子(プロフ) - 最高です！！ってことは最終話軸？最終話時空の話見るの初めてなので何だか新鮮でした！！ (7月23日 11時) (
レス) @page30 id: fa924563b5 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(サブ垢)(プロフ) - 瀬琉ﾁｬﾝ.さん» コメントありがとうございます。そう言って貰えて光栄です……！ (2022年8月6日 2時) (レス) @page30 id: f3216aef7e (このIDを非表示/違反報告)
瀬琉ﾁｬﾝ. - とても深いストーリーに感動しました...!! 本誌の内容が良い感じに組み込まれつつハッピーエンドで完結できる作者さんの文才うらやましいです((( (2022年8月2日 23時) (レス) id: e12b8018fd (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(サブ垢)(プロフ) - 七瀬太さん» コメントありがとうございます！私もとても楽しみにしています！ (2022年7月30日 16時) (レス) id: f3216aef7e (このIDを非表示/違反報告)
七瀬太 - すごい泣ける🥹公式？の方の最新刊も本当に楽しみです！ (2022年7月25日 16時) (レス) @page30 id: 320abee8c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らずぴす | 作成日時：2021年9月24日 9時
